1月25日、日本の警視庁公安部は在日ロシア通商代表部の職員に機密データーを渡した疑いでソフトバンク元職員の荒木豊容疑者を逮捕した。
荒木容疑者は罪を認め、金欲しさにやったと供述している。その同日、在日ロシア大使館には、事情聴取のためにロシア通商代表部の職員2人に警察へ出頭するよう公式的な要請が送られた。ところがそのうち1人は2017年にすでに日本から出国していたことがあきらかになった。もう1人の人間は外交官特権があって守られている。一方のソフトバンク側は、持ち出されたデーターは機密性としてはレベルの低いものであり、その中には顧客、パートナーについての情報は入っていないとする声明を表している。
ロシア対外情報庁の元職員で、現在政治学者のユーリー・スヴェトフ氏はスプートニクからの取材に対し、スパイ行為は国際関係ではごく普通に実践されていることであり、各国間には定期的に軋轢が起きているとして、次のように語っている。
「どんな国も互いの動きを見守っており、関心のある国のことであれば公式情報であろうと非公式情報であろうと何でも知りたいと思っている。ただその時に、スパイ行為があったと公言されるケースもあれば、スパイ行為のあったことを隠し、これをはたらいた人間を秘密裡に本国送還するケースもある。機密情報の持ち出しは全世界の諜報員が活発に行っている。これが二国関係に暗雲をもたらすかどうかは政治的な意思の問題だ。多数の外交官の強制出国にまで至る場合もあれば、徐々にトーンダウンしていくこともある。」
世界経済国際関係研究所、日本経済政治セクターを率いるヴィターリー・シュヴィトコ氏はスプートニクからの取材に対し、二国関係の中ではスパイ行為や、大声でそれが公言され、またそれへの応戦が行われるといったことは常に繰り返されているとして、次のように答えている。
「今回これでなんらかの緊張化が二国関係に起きるとは思わない。先週、国会常会の召集日当日に安倍総理大臣が行った所信表明ではロシアとの二国関係についてかなり楽観的な見方がなされていた。安倍氏は領土問題、平和条約についてのロシアとの活発な対話を急速化させていく意向を表している。2件の逮捕、拘束例は確かに二国関係に有利に働くものではないものの、だからといって関係をたたんだり、悪化させる根拠にもならない。」
在日ロシア大使館は遺憾の念を表し、日本も西側で流行する「スパイマニア」というテーマに迎合してしまったが、これは露日間で合意した政策に矛盾しているという声明を表した。大使館が指摘しているのは二国間協力および二国間の難解な問題解決のための前向きな雰囲気作りのこと。ロシア外務省のプレスセンターはスプートニク記者からの取材に対し、現段階ではこの状況についてのコメントは出されていないと回答している。