グリンピースが3月に公表した大規模な調査で福島県では放射能の二次汚染が起きていることを示す兆候が明らかにされた。
雨の影響で放射性同位体が山から河川へと移流し、高瀬川で異常な放射能レベルが記録されたほか、浪江町、大熊町、楢葉町、そして福島市など計測が行われたほぼ全部の箇所で汚染度が高くなっていた。
ドイツのグリンピースの専門家シャウン・ブルニエ氏は、「日本政府はこのオリンピックを利用して、福島の状況は落ち着いてきており、放射能レベルもコントロールがとれているか、あるいは受容可能なレベルまで下がっていると公言しようとしている。ところがグリンピースの調査では、日本政府は本当のことを語っていないことが証明されている」と語っている。
この他、放射性ゴミのリサイクル問題もまだ完全には解決されていない。危険なゴミの半分は市民の生活環境の近くに保管されている。事故による汚染区の除染オペレーションで集められた土壌、植物はおよそ1400万立方メートル。事故原発の近くに設置された特殊容器に入れられたのは、その45%にあたる630万立方メートルのみ。他は一時的に学校施設、公園などに保管されている。NHKの報道によれば、環境省はこれらを2022年3月までに原発の敷地内に運び入れる意向を表している。
自然災害とコロナウイルスの感染拡大で日本は政府も社会も大きな試練に直面している。それでも良いニュースもある。チェルノブイリの事例と同じように福島第1原発事故から9年を経た今、放射能に汚染された、いわゆる「無生息ゾーン」の動物の個体数が著しく増えていることだ。これをポータル「サイエンスアラート」が報じている。
動物相のモニタリングは事故原発周辺の3つのゾーンに設置された120台のカメラを使って行われている。この調査で放射性の汚染があるにもかかわらず、イノシシ、キツネ、ニホンノウサギ、タヌキ、サルなどの野生動物が急に個体数を増やしていることがわかった。分析した科学者らは、人間の姿がないことが幸いしたのではないかとの考えを示している。