研究者らは被験者119人の食への反応をみるため、2つのグループに分けた。1つ目のグループ(55人)には注意力や素早い反応が必要なコンピューターゲームをしながら食べてもらうようにし、もう一方のグループ(66人)は落ち着いて静かに食べる環境に置いた。被験者全員には出した食べ物はクリームケーキ。これを好きなだけ食べてもらうことにした。
実験終了後、研究者らは被験者のケーキを食べた量と、満腹感について分析を行った。すると、ゲームに気を取られていた被験者は、落ち着いて食事をしていたグループとは対照的に、ケーキを食べる量がずっと少なかった。
この実験の1週間後、研究者らはこの2つのグループの実験内容を丸ごと入れ替えて2度目の実験を行った。すると、研究者らが予期しなかった結果が出された。前回ゲームで遊んだグループ(55人)は、第1回目の実験条件が潜在的に働いたことで、今回は落ち着いて食べられる状態だったのにもかかわらず55人全員が、もう一方のグループよりケーキの摂取量が少なくなったことが明らかになった。
このように、研究者らは意識が食以外のものに向くと、食べ物の摂取量はかなり減少すると結論付けている。