勤務体制の変更有無(予定含む)については、6割が新たに在宅勤務を導入した、またはすでに導入したものを拡大したと回答。全社員にリモートワークを適用したところもあれば、交代制での在宅勤務やフレックス勤務、複数のオフィスによる分散業務など、大人数が固まらないような工夫を各社が凝らしている。
執務環境については、マスク配布や消毒液の設置、検温体制の整備、社内の備蓄など、8割以上の企業が何らかの対策を行っていた。しかしマスクや消毒液といったものは常に売り切れているので、対応したくてもできないケースがある。
イベントや会合、商談に関しては、中止や延期を余儀なくされた社が続出している。今月16日からは永住権保持者以外の外国人のロシア入国が禁止されているため、テレビ会議でカバーしたところもあれば、日本からの出張者が来られずに商談ができず、ビジネスに大きな影響が出ている企業もある。
更なる感染拡大が予想される中、社内で感染者が出た場合を想定し事前準備を進めているところもあり、感染の確認方法や隔離後の対応など、ロシア当局からのより詳細な情報提供を求める声が高まっている。
現段階で、ロシアでは年齢を問わない外出制限や店舗閉鎖などは行われておらず、自粛レベルはヨーロッパほどではない。「弱くなっているロシア経済にとどめを刺す」ことがないように、経済への影響が少ない部分で制限を行い、感染スピードを緩やかにしてほしいと求める声もあった。
ジェトロのアンケートの詳細な結果はこちらから閲覧できる。
25日時点でのロシアにおける新型コロナウイルスの感染者は、完治した人も含め、658人に達した。このうちモスクワ市内における感染者は410人だ。ロシアにおける感染は日を追うごとに拡大しており、24日にはプーチン大統領がモスクワ市南部のコムナルカ地区にある隔離センターを訪問し、患者に励ましの声をかけた。