新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、IOCと東京五輪大会組織委員会は2020年に予定されていた大会を2021年7月23日から8月8日の日程で延期することを決定した。独ディ・ヴェルト紙の取材に応じたIOCのバッハ会長は、全世界で生じる正確な損失額は現時点で答えかねるとしたうえで、IOCが被る損失額は数億ドルに達すると発言した。
バッハ会長は取材の中で、IOCに決断力がない、あるいは「透明性」に欠けるといった批判があることを踏まえ、次のように弁明した。
これほど緊張した状況下で直観的に決断を下せるものではない。あらゆる陰謀論を退けるためにも強調したいのだが、IOCは五輪中止ならさておき、延期のシナリオは想定していなかった。延期するには大会組織委員会の決定が必要となる。組織委員会の活動期間は1年間延長し、さらには政府の協力も要請する必要がある。全206か国の五輪委員会に加え、サマースポーツのあらゆる連盟、IOCの全役員、スポーツ選手の代表団が一致して延期を支持するのであれば話は簡単だ。しかし、我々は延期の決断をわずか3日間で出すことを余儀なくされ、さらには6日間で新しい日程を公表することになったのだから、その難しさは押して知るべし。
このようにバッハ会長は発言し、アスリートと大会関係者の健康優先、感染拡大防止で引き続き用意を進める姿勢を強調した。
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