グテーレス事務総長は16日にビデオ演説を行い、児童虐待について国連がまとめた報告書を発表した。グテーレス事務総長によれば、新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退を受けて世界では例年と比べ、新たに数十万人の児童が命の危機にさらされるとして、各国の首脳と各家庭の保護者に対し、警戒を呼びかけた。
国連の報告書によれば、世界各国で教育機関は休校となっており、遠隔授業による教育活動はごく一部の先進国に限定されている。学校給食が唯一の栄養補給源となっている児童数は世界で3億1000万人に達していることから、食糧不足や発育不良といった健康被害がさらに拡大すると見られている。
さらに、学校が休校となったことで、家庭における児童虐待はさらにエスカレートするという。女児には児童買春の危険性が高まりつつあるとしたうえで、「児童が抱えるリスクの増大を無視してはならない」とグテーレス事務総長は強調した。
また、新型コロナウイルスの感染対策に保健機関が追われていることから、小児麻痺やはしかといった予防接種に遅れが生じており、児童に対するパンデミックの影響を最小限に抑えるよう、各国首脳に協力を呼びかけた。
ジョンズ・ホプキンズ大学の最新発表によれば、世界では現時点で213万8763人が新型コロナウイルスに感染しており、米国の感染者数は最多の65万8263人。同国の死者は3万人を超えており、ニューヨーク州だけで1万1477人の死亡が確認されている。
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