生物学博士で、持続可能発展・環境健康センター長のウラジーミル・ザハロフ氏は、コロナウイルスの自然起源に関する疫学的データを信じない根拠はないと考えている。
ザハロフ氏によると、一方で人間はウイルスに対して体内侵入というハードルを下げてしまったという。「コロナウイルス発生原因の一つに、自然に対する消費的な行動があると思う。ご存知のように野生動物は非常に丁寧に、よく考えて扱わなければならない。野生動物の取引を規制する特別協定があるのは偶然ではない。
このような協定の主な目的は動物の存在を脅かさないことだが、これ以外に、人間の健康リスクという観点からも野生動物取引は好ましくない。」
これまでも専門家らは、多くの動物は感染症を媒介する可能性があると警告している。
コウモリもその一つで、その体内には様々なコロナウイルスが存在することで知られている。新型コロナウイルスは武漢の市場で売られていたコウモリを経由して人体に入ったというのが最も一般的な説の一つだ。
ザハロフ氏はまた、危険な感染症の拡大における地球温暖化の役割を指摘する。
「疫学者はかなり前に、気候変動は新たな感染症の発生だけでなく古い感染症の復活も誘引すると警告している。例えばロシアのダニは、以前には全く生息していなかった地域にも広まっている。これら虫に噛まれると、脳炎などの危険な感染症の原因となる。」
自然は大きな恵みであり私たちの健康の源だが、その自然に対して軽率にふるまうと予想外の仕返しを受けることになるとザハロフ氏は考える。「人間はコロナパンデミックから大事な教訓を得るはずだ。地球汚染は既に重大な境界線を越えており、生態系と気候のバランスを乱している。これは明らかな異常であり、全ての生物の健康に影響を与えている。科学にとって未知なウイルスが蔓延する中、感染症と闘う上で免疫は大きな役割を果たしている。新鮮な空気のもとで普通の散歩をするのはとても重要だ。私たちが環境汚染を止めれば、私たち自身にプラスとなって返ってくる。空気はより清浄になり、その環境でウイルスの数は大きく減るだろう。」
© Sputnik / Savitskaya Kristina経緯:新型肺炎はどのように流行するのか
経緯:新型肺炎はどのように流行するのか
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