白書は韓国の脱北者を対象とした調査などを昨年まとめたもので、2018年以前の事象が中心となる。
文在寅政権が北朝鮮の人権侵害を直視したことは「前進」といえる。白書は毎年発表されているが、2019年版の発表は、文在寅政権が金正恩朝鮮労働党委員長に「忖度」したためなのか、公表が遅れていた。
白書では、公開処刑の頻度が減少し、住民の動員も減っていると指摘。また、刑事事件の際に自白を強要する拷問など、非人道的な処遇に関して具体的な証言が得られなかったという。こうした点から人権への対応で一定の「前進」があると見ることができるが、しかし、北朝鮮の国内情勢は不透明であることから、真相は分からない。
金正恩朝鮮労働党委員長は人権問題で非難されることを何よりも気にする。しかし、金正恩氏の人権弾圧に関しては、文在寅大統領が民主国家の代表として正しく対応することが重要だ。