デンマークのノボノルディスク財団幹細胞生物学センターの研究者らは、コペンハーゲン大学の研究者およびスウェーデンのルンド大学のバイオエンジニアと共同で、人間の脳の発展の初期段階を再現する模倣モデルを幹細胞から創り出した。細胞は、胎児の脳が成育するのと同じ特別な環境で培養された。
このモデルは、脳細胞の成長過程を明らかにすることと、幹細胞による治療法の開発のために活用される。
研究者によれば、それらは管理条件下で、受精後約4~5週間といったもっとも初期の胎児の脳に似た組織を再現することが可能となる。
もっとも初期段階での人間の脳の発達については、この段階での人間の胎児組織に接近できなかったことから、これまで研究が行われていなかった。
研究結果は酷学術誌『ネイチャー バイオテクノロジー』で発表された。
3月には、HIVから防御する特別な遺伝子を持つドナーから幹細胞の移植を受けたロンドンの40歳のHIV患者が完治したことが報道された。
また、2019年には、インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者らが、人間の心臓の治療用にたくさんの生きた幹細胞から「生きた絆創膏」を作ることを提案した。
2020年の3月には、スウェーデンの研究者らが、新型コロナウイルス感染で影響を受けた肺組織の治療に幹細胞を使用することを考案した。
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