ウイルスが検出された割合が最も高かったのは通常のネズミだった。齧歯類の3匹に1匹が少なくとも1種類のコロナウイルスを保有していた。また重要なのは、流通経路で移動するにつれて感染した動物の割合が増加したことだ。捕獲時にはネズミの約20%がウイルスに感染していたが、レストランに提供された時点ではすでに約50%が感染していた。ヤマアラシ、タケネズミ、コウモリをめぐる状況も同様だった(感染した個体の割合は齧歯類が6%以上、コウモリは約70%だった)。
ベトナムではコウモリやネズミ、ヤマアラシ、その他の齧歯類が珍味とされ、高級レストランでよく出される。そのためベトナムではこれらの野生動物を捕獲するだけでなく、農場で繁殖もされており、そこから大きな市場に入り、そこでレストランに食材を納めている納入業者や野生動物の肉の愛好家たちが購入する。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因であるコロナウイルスSARS-CoV-2はヒトだけでなく他の多くの哺乳類にも感染する可能性がある。
疫学者らは現在、新型コロナウイルスの感染源はコウモリであり、コウモリから中国の武漢市にある市場で売られた他の動物を介してヒトに感染したと考えている。