クリンツェヴッチ氏は2日、全国投票でのロシア憲法改正の承認を念頭に置いたクリル諸島に関する今後の議論の見通しについて質問を受け、「このテーマは終了している。今後10年間、20年間、100年間に誰が政権に就こうとも、誰もこのテーマに戻ることはできない。人々がそれを許さない。なぜなら現在の状況で我われが彼ら(日本)に応じた場合、明日そこには米国の基地が設置され、それは必ずや深刻な脅威となるからだ」と述べた。
クリンツェヴッチ氏は「以前は(クリル引き渡しの可能性に関するテーマについて)議論することを許したある種の不確実性があった。(だが)もう終わりだ。議論は終了する」と述べた。
また同氏は、日本はロシアとの平和条約締結問題とクリルのテーマを結びつけるべきではないと述べた。
ロシア中央選挙管理委員会は、憲法改正案を巡る全国投票の開票作業を終了した。
中央選管によると、賛成77.92%、反対21.27%だった。
またクリル諸島が属するサハリン州では、賛成74.88%、反対24.04%だった。
ロシア全国投票
ロシアの憲法改正国民投票は4月22日に予定されていたが、新型コロナウイルスの影響から延期された。その後、ウラジーミル・プーチン大統領は、新たな日程として7月1日を指定する大統領令に署名を行った。感染症の拡大状況と国民の安全を考慮する必要性から、ロシア国民は6月25日から7月1日の期間で投票が可能となった。
複数の重要な改正点は以下の通り。
あらゆるロシア連邦の領土の「割譲」は違憲。現職のウラジーミル・プーチン大統領のため、選挙の立候補に関する規制を解除。今後は2期以上の大統領への立候補は禁止。国際法はロシアの国内法より優先されるが、憲法裁判所が、国際機関の決定を「違憲」とみなした場合は、それらの執行を凍結することができる。ロシア民族が国家を形成することを宣言。結婚は男女のみの結びつきとする。憲法で神への信仰を言及。