NASAは、地球の磁場の強さや向きの変化の観察を以前から続けており、南米大陸とアフリカ大陸の間のエリアで磁場が弱くなってきていることをすでに突き止めている。
南大西洋異常は、地球上の生命には影響を与えることはないが、人工衛星や宇宙船の通信障害やデータ損失を引き起こす恐れがある。
NASAの地球物理学者であるアシュリー・グレーリー氏は2016年、南大西洋異常がゆっくりと北西方向に移動していることを明らかにした。しかし2020年7月に発表された研究によると、この南大西洋異常が2つに分裂しつつあるという。
この研究によると、これらの現象は1100万年前に起きた磁気異常を繰り返している可能性がある。NASAの地球物理学者テリー・サバカ氏は、南大西洋異常はゆっくりと移動しているが、その形態が変化し続けているため、観測を続けることが重要だと指摘している。