先にベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は国内西部グロドノ州の政治集会で演説を行い、ポーランドについて言及した中で「ベラルーシ西部の真珠とも歌われるこの土地(グロドノ州:スプートニク編集部)を少しでもいいから分捕ろうと企む連中が今はいくらでもいる」と発言していた。
これに対しシチェルスキ国務大臣は声明を発表し、自国に寄せられた疑惑を払しょくすることに努めた。
PAP通信によれば、声明の中でシチェルスキ国務大臣は「国際舞台においてポーランドは国家間の関係における国際法の優位を一貫して擁護してきた」と主張し、「我々の信念として国際法の順守はこの世界の基礎である」と強調した。
そのうえでシチェルスキ国務大臣は「ベラルーシ政府がそのプロパガンダで国家の領土的一貫性を損なう意図がポーランド側にあると主張していることは悲しく、また衝撃的」とコメントし、「ポーランドがそうした意図を持ったことはなく、また現時点においてもそうした状況にはない」と記した。
ベラルーシでは国境でNATO軍が活動を活発化していることを理由に、ルカシェンコ大統領は軍の主要部隊に戦闘態勢に入るよう命じた。大統領はグロドノで軍司令部と会合を開いた中で「ポーランドとリトアニアにおいて、我が国に隣接する国境付近でNATO軍の大きな動きがみられる」と語り、「25年間で初めて、軍の主要部隊を完全戦闘態勢にし、部隊を西方面に移動させるという最も重要な決定を下さなければならなかった」と述べた。
8月9日、ベラルーシで大統領選挙が実施された。中央選挙委員会の発表では、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領が得票率で80.1%を獲得し、次点のチハノフスカヤ氏は10.12%だった。反対派はこの結果を承認せず、また、チハノフスカヤ氏自身はリトアニアに出国した。
同国では2週間にわたり無許可の抗議行動が行われており、それらは治安当局によって弾圧を受けている。内務省によれば、抗議参加者は6~7000人が拘束され、数百人が負傷。その中には治安当局の120人が含まれる。また、抗議参加者3人が死亡した。