ギリシャは24日、地中海東部で空軍、海軍の軍事演習を25日から27日にかけて行うとの航行警報を発令した。同海域では現在、トルコの海底調査船「オルチ」が海底調査を行っている。
ギリシャ政府による航行警報発令を受けてトルコのエルドアン大統領は「地域におけるすべての船舶を危険にさらす」と記者会見で語った。続けてエルドアン大統領は、同海域で衝突が発生する場合、「原因となるのはギリシャのみ」、「犠牲国となるのもギリシャのみ」と発言し、同国による軍事演習をけん制した。
加えてトルコ海軍による護衛を受けて調査船「オルチ」が進める海底調査については「一歩たりとも譲歩しない」と発言し、ギリシャとの衝突も辞さない姿勢を強調した。
トルコ政府は23日に声明を発表し、ギリシャが排他的経済水域(EEZ)と主張する地中海東部での調査を8月27日まで延長することを明らかにした。
調査船「オルチ」はトルコ海軍の補助艦「アタマン」、「チンギス・ハン」による護衛のもと、地中海東部でガス田、油田の調査を行っている。当初、トルコ側は8月10日から23日の予定で調査するとしていたが、調査期間の延長に踏み切った。
これを受けてギリシャ側は24日に航行警報を発令し、25日から27日まで同海域で空軍、および海軍の軍事演習を行うことを発表した。
トルコは地中海で海底資源の開発に力を入れており、ギリシャとの緊張拡大が国際社会の懸念を呼んでいる。特にギリシャ領のカステロリゾ島は本土から570キロの距離にある一方、トルコからわずか2キロの距離にあり、同島はさらに面積がわずか10キロ平方メートルと小さいことから、島の周辺海域をトルコは自国の排他的経済水域と主張している。
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