そこで研究者らは、地球上で最も放射線に強い生物の一つであるデイノコッカスが宇宙空間で生き延びるかどうかを調べることにした。
研究者らは、国際宇宙ステーション内の日本の宇宙実験棟である「きぼう」の外壁にデイノコッカスのコロニーを数個設置。様々な密度のサンプルを2015から2018年にかけて、1年間、2年間、3年間の期間で宇宙環境で暴露させ、その生存率を調べた。
研究者らは3年間の実験期間終了後、直径0.5ミリ以上のデイノコッカスのコロニーは部分的に生き残っていることを明らかにした。表面上に存在したデイノコッカスは死滅していたものの、その下にいる細菌は保護層を形成し、全てのコロニーでの生存を確保していた。
論文の著者らは、デイノコッカスが宇宙船の外壁で15〜45年間生存できるとみている。この時間は、惑星間を移動するのに十分な長さであるという。さらに研究者らによると、直径約1ミリのコロニーは宇宙空間で、最大8年間生き延びる可能性があるという。
この研究結果から研究者らは、デイノコッカスは軌道にもよるが、地球から火星への移動、あるいはその逆コースで、数ヶ月間か数年間生き延びる可能性があると指摘している。
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