先にNATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は地中海東部での衝突回避を目的とした対話を提案し、これに当事国のトルコとギリシャが賛同したことを明らかにしていた。ただし、ギリシャのアムナ通信によれば、ギリシャ側はNATO主導の和解プロセスを退けているという。
こうした中、トルコ外務省は声明を発表し、NATO主導によるギリシャとの対話プロセスを歓迎した。トルコ外務省の声明には次のように記されている。
NATO事務総長は地中海東部での緊張緩和に加え、海軍、空軍間の望ましくない衝突回避に向けた提案を表明した。この提案を我々は支持するものであるが、NATO事務総長が本日付で表明した通り、これはNATOの枠組み内で二国間の軍事的・技術的性格の協議開始を意味している。
協議ではトルコとギリシャの二国間問題の解決に加え、二国間の軍事に関する合意にも話が及ぶ模様。
トルコは声明の中でギリシャがNATOの提案を支持することに期待を寄せた。続けてトルコ側は声明の中で、ギリシャとは「事前条件無しで交渉する用意がある」とし、国際法の枠組みでギリシャとの間にある全ての問題を「公平性のもとで恒久的に解決する」ことを望むとした。
地中海ではトルコとギリシャの間で関係が悪化している。トルコ政府は8月23日に声明を発表し、ギリシャが排他的経済水域(EEZ)と主張する地中海東部での調査を8月27日まで延長することを明らかにした。
トルコの調査船「オルチ」は海軍の補助艦「アタマン」、「チンギス・ハン」による護衛のもと、地中海東部でガス田、油田の調査を行っている。当初、トルコ側は8月10日から23日の予定で調査するとしていたが、調査期間の延長に踏み切った。
これを受けてギリシャ側は24日に航行警報を発令し、25日から27日まで同海域で空軍、および海軍の軍事演習を行ったほか、フランスとイタリアとの合同軍事演習をキプロス島南部で26日から28日にかけて実施した。
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