ストルテンベルグ事務総長は、ドイツが特別研究所での研究結果について同盟各国に報告を行なったとコメントした。同事務総長によれば、報告では、「ノビチョク」系の神経麻痺物資の使用によりナワリヌイ氏に対する毒殺が試みられたと強調されている。
また、同事務総長は、ロシアに対し化学兵器禁止機関とナワリヌイ氏の事件についての国際調査に協力するよう要請した。
アレクセイ・ナワリヌイ氏の入院
野党党首のナワリヌイ氏は8月20日にトムスク(西シベリア)からモスクワに向かう途中の飛行機内で体調が悪化。飛行機はオムスク市に緊急着陸し、同氏は病院に搬送された。その後直ちに人工的昏睡状態に置かれ、現在もその状態が続いている。当初44時間はオムスク市の病院で処置が施され、体調悪化から2日後にドイツ「シャリテ」病院に移送された。独の医師らはナワリヌイ氏の体調悪化の原因はアセチルコリンエステラーゼ阻害剤によるものと断定。一方、オムスクの医師らは中毒について言及していない。ナワリヌイ氏陣営は、同氏の社会的活動を理由にロシア当局が殺害を試みたと非難している。
ロシア政府の反応
ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は通信社スプートニクに対し、「ノビチョク」によるナワリヌイ氏の毒殺の試みという彼らの結論について、ドイツ政府はロシア政府にいかなる見解も示しておらず、ロシアはそのような情報を得ていないとコメントした。また、同報道官は、ベルリンに移送される前には、アレクセイ・ナワリヌイ氏の身体からは「ノビチョク」の痕跡はまったく確認されなかったと指摘した。