新首相には菅氏 新たな可能性か、古い問題の蒸し返しか?

© REUTERS / Kim Kyung-HoonГенеральный секретарь Кабинета министров Японии Есихидэ Суга
Генеральный секретарь Кабинета министров Японии Есихидэ Суга - Sputnik 日本
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9月14日の自民党総裁選挙では菅 義偉氏(71)が選出された。菅氏はこれによって8月末に首相辞任の意向を明らかにした安倍晋三氏(65)に代わって党の最高ポストを占めることになった。菅氏が公式的に首相に就任するのは明後日、9月16日になるものとみられている。新首相が率いる日本政府の内政、外交政策がどういったものになるのか、安倍氏にならって最長の首相職連続在任日数を記録するためには菅氏には何が助けとなり、または何が阻害要因となりうるかについて、スプートニクは国際関係、日本政治の専門家でモスクワ国際関係大学のドミトリー・ストレリツォフ教授に見解をたずねた。

内政

ストレリツォフ教授は、菅内閣の今後の内政について次のような見解を表している。

「日本の新首相が負う課題は、世界の地政学的不安定状況の中でこの先の日本の正常な復興と経済発展を図るに足る経済成長の速度を保障することにある。これに加えて、世界に共通するコロナウイルスのパンデミックとの闘いと、日本の失業率の増加や企業収益の減少の中での給与カットなど、日本の社会に現れた悪影響もある。菅新首相にとっては社会面でのこうした現象との取り組みが第一の基本課題となる。」

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ストレリツォフ氏は、今年2020年が菅氏にとっては首相としての正念場になると見ている。

「菅氏は就任初日から最大限効率のよい働きを見せねばならない。なぜならまた1年後には自民党総裁選びがあり、首相選びも行われるからだ。首相の支持率が一番高いのは普通就任したての時期で、その後、徐々に下がっていく。このため菅氏の課題は就任1年目で支持率を使い果たさないことだ。」


外交

ストレリツォフ氏は、日本では今、自律的な、より独立した攻めの外交を求める声が強いとみており、このため菅氏は安倍氏が率いた外交路線をそのまま引き継ぐものと予想している。

「日本は安全保障では独自のプロジェクトを積極的に推し進め、経済統合では安倍氏のもとですでに始動している環太平洋パートナーシップ路線を続けていくだろう。日本はまた、二国間協力、多国間フォーマットの協力関係も拡大していくと思う。それでもやはり最優先は依然として日米関係の強化となるに違いない。なにしろ米国はアジア太平洋地域における日本の主たる戦略的同盟国であり続けているからだ。」

ロシアに関しては菅氏は安倍氏から、長い間未解決のまま放置されている日露関係の再フォーマットという極めて複雑な課題を遺産として引き継いでしまった。ストレリツォフ氏は、日本の世論はロシア路線に関しては、菅氏の前任者の政策に深い失望感を味わっていると指摘している。

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「菅氏が補足的にプロパガンダ的な評価を得たいのであれば、領土問題については現時点では日本の立場を強硬にせざるをえないため、これはロシアとの交渉プロセスに直に響くことになる。一面では日本にとってはロシアと良好な関係を持つことは重要だ。それはグローバル上の長期的ファクターである中国というファクター、北朝鮮ファクター、その総括としての、アジア太平洋地域における地政学的不安定要因の維持というファクターは誰も取り除いてはいないからだ。菅氏はこうした理由から2つの外交路線を同時に堅持せざるをえない。その2つとは領土問題における日本の立場を強硬化することと、同時に安倍氏の始めた親露路線だ。つまり菅氏は前任者と同様、ロシアの指導者であるプーチン大統領との首脳会談の実施に関心を持つだろう。」


9月16日に召集される臨時国会で、健康問題で辞任する前任の安倍氏に代わる総理大臣の指名選挙が実施される。国会の大多数の議席を占める自民党、公明党の議員の票により、菅氏は予想通り勝利をおさめ、内閣を率いる立場を手に入れるはずだ。菅氏はすでに前任者の政治路線を引き継ぐ考えを表している。

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