米国の大統領選挙について
スプートニク:米国の高官らは、 唯一のグローバルリーダーとしての自国の絶対的役割を実によく口 にしますが、米国のこの内政上の議題は米国の外交政策、連合国、 パートナー国との関係、 ひいては対露関係にどれほど強い影響を及ぼしていますか?
ラブロフ外相:「民主党、 共和党の主たる候補者のディベートがこれから始まりますが、 ロシア問題、 米国の内政へのロシアの干渉問題はすでにその中でも圧倒的な位置 を占めています。この話はオバマ政権時代に端を発しています。 ロシア指導部が意識的に露米関係をだいなしにする路線をとってい ると公式的に発言したのはまさにオバマ氏です。
オバマ氏はまた、2016年の米大統領選挙にロシアが干渉したと 発言しました。 オバマ氏はこの前提のもとに全く前代未聞の制裁を発動した上、 米国におけるロシアの所有財産を没収し、 ロシア人外交官とその家族を何十人も国外追放に処しました。
ですから私は実にシンプルな帰結に達しました。 我々は当たり前の話ですが、いかなる国いかなる政府とも、 それが選挙で選ばれた政府であるならば作業をしていく。 これには米国も当てはまります。 米国とは相手が関心を持つあらゆる問題を話し合っていきますが、 その際に我々は同権、互恵、 国益のバランスの模索のみを土台にします。 ロシアに最後通牒を突き付けて話し合おうなどと考えるのは意味が なく、何の益も生みません。」
スプートニクへの差別について
スプートニク: 仏で活動するスプートニクの状況は一向に改善されまていせん。 スプートニクの記者は仏大統領官邸での記者会見や行事に入れない 状態です。この状況は改善の余地がありますか? 仏側との話し合いはありましたか?
ナワリヌイ氏をめぐる状況
スプートニク: 米国のプレスはアフガニスタンの米軍部を狙うよう、 ロシアはタリバンと密約を結んだと非難し、英外務省は2019年 の議会選にロシアが介入したのはほぼ間違いないと断定し、EU諸 国はロシアで人権侵害が行われたと決めつけ、今週、 制裁案を話し合いました。 こうした歩みを変えるチャンスはありますか? それともこの傾向は強まるばかりなのでしょうか?
ラブロフ外相:「 この政策が変化する兆候は今のところ見られません。残念ですが、 この制裁したくてたまらない傾向は高まる一方です。最近は、 ベラルーシのことでロシアを懲らしめたい、ナワリヌイ氏の事件で ロシアを懲らしめたいわけです。ところが人権と基本的自由の保護 のための条約の義務を遂行し、 最高検察庁の公式的な照会に回答することは断固として拒否してい る。
あなたが今挙げた事ですが、ロシアがタリバンとつながり、 金銭的報酬で釣って、 米軍部を狙うシナリオを実行させようとしたと非難されたという。 タリバンは自分の利益と信条に基づいて戦っているのであって、 我々がこんな、凶悪極まりないことを実行しうると疑うのは、 米国の公式的人物らの尊厳以下の話ではないですか。後日、 米国防総省はこうした類のでっちあげを否定せざるをえなくなりま した。それを裏付ける証拠が全く見つからなかったからです。 タリバン自体が言いましたよ。そんなのは真っ赤な嘘だと。( 中略)。」
シリア情勢について
スプートニク: 米国のシリア計画はどう評価されますか?
ラブロフ外相:「米国のこの計画はシーザー法と言われるもので、 大体がシリア指導部の息の根を止めるツールに彼らが使いたい制裁 です。制裁が鞭打つのはまず一般の市民、シリア国民です。 ちょうど昨日(9月17日)、 ニューヨークの安全保障会議でシリアの人道状況をいかに改善する かが話し合われたのですが、西側は、制裁が目的は役人および『 体制』 のメンバーの行動および可能性の制限のみであるという自らの主張 を譲りませんでした。一般市民は困難を味合わない。 なぜなら制裁では 医薬品、 食糧など救急必需品の供給は人道的な例外事項とみなされているか らだというのです。
これはすべて嘘です。 なぜならシリアにこの制裁を発動した国からはこうした供給品は一 切入ってきていないからです。
先日、ロシア政府のユーリー・ ボリソフ副首相と共にダマスカスを訪問しました時、 アサド大統領と閣僚らはシリア政府と反体制派の間で達成された合 意事項を必ずや遂行すると確約しました。 テロリストの掌握する空間も、 何よりもまずこれはイドゥリブの緊張緩和地帯ですが、 次第に狭まってきています。 ロシアとトルコ間の合意は望んだように迅速には進んでいないので すが、それでも遂行は徐々に進んでいます。トルコ側は、 政府との対話の姿勢があるノーマルな反体制派をテロリストと線引 きする必要性をはじめとする合意内容を忠実に遂行しており、 我々も積極的に協力を行っています。
ユーフラテス川東岸に米軍部が違法に駐屯し、 クルド人の分離主義的傾向を明らかに後押ししている状況もまずま す憂慮を招いています。米軍部は非常に残念なことに、事実上、 クルド人を政府に敵対させ、 政府と対話を始めるというクルド人らの自然な意気込みを抑制して います。 こうした中でも状況は数年前に比べれば著しく安定しました。」