研究でニコレリス教授は、新型コロナウイルスとデング熱の流行の地理的分布を比較。その結果、新型コロナウイルスの感染率が低く、感染者の増加ペースが緩慢な地域は、2019〜2020年にデング熱が大流行した地域と重なったという。
同教授によると、この仮説が正しければ、デング熱の感染またはデング熱ワクチンによる予防接種によって、新型コロナウイルスに対する一定の免疫学的な防御が生成される可能性がある。
ニコレリス教授は、デング熱の回復者がコロナ抗体検査で偽陽性の判定が出るという過去の研究結果を指摘。同氏によると、この研究結果はこの2つのウイルスがそれぞれ異なる科(デングウイルスはフラビウイルス科、新型コロナはコロナウイルス科)に属しているにもかかわらず、免疫学的な相互作用があることを示している。
デング熱は、吐き気や頭痛、筋肉痛、関節痛、発疹、リンパ節の腫脹を特徴とする急性のウイルス性疾患。発症から通常2〜7日ほどで回復する。