死を願う投稿に、悪質な誹謗中傷・・・ネット上の悪意とどう闘うか?

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ツイッター、フェイスブック、Tik Tokの各ソーシャルメディアは、誰かの死を願うような内容のコンテンツはすべて削除するとの警告を共同で発した。最近、米国のドナルド・トランプ大統領が、夫人とともに新型コロナウイルスの検査を受け、結果が陽性だったと投稿したが、これを受け、大統領反対派の政治家を含め、多くの人々が、早期の回復を願うコメントを出した。しかし、すべてのそシャルメディアのユーザーがそう善良な気持ちになったわけではなく、ソーシャルメディア上では、トランプ大統領の死を願うような投稿が大量に発生した。

ツイッターの管理者は、4月に、誰かに死や深刻な傷害や死に至るような病を願うことや禁じる規則を発動したことを指摘している。米CBSニュースは、「この規則に違反する投稿を発見した場合には削除するしかない」というツイッター側のコメントを伝えた

ツイッターはまた、プラットフォーム上でなんらかの中傷誹謗やハラスメントを見つけた場合、管理者に通報するようユーザーに呼びかけている。

​ハラスメントというのは、嫌がらせだけでなく、誰かを傷つけたり、軽蔑したり、あるいは好ましからぬ状況を作り出したり、誰かを恥ずかしい気持ちにさせたり、恐怖感を与えるようなあらゆる行動や発言のことで、ここには品のない冗談、恐喝、虚偽告訴、また年齢や国籍、肌の色、宗教、性的指向、肉体的および知的特徴による差別などが含まれる。

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ソーシャルメディアは、政治家、セレブリティ、さらにはスポーツ選手などに対するさまざまな感情をあからさまに表現する場となった。さまざまな物事に対し、異なる見解を持つユーザーたちの間の「ネット戦争」というものが、今、現実のものとなりつつある。支持、同情、歓喜だけでなく、批判、別の意見対する不寛容、憎しみを露骨に表現し、直接的に侮辱するようになっているのは、ネットにおける匿名性のためである。

精神分析家のナタリヤ・セミョーノワさんは、「スプートニク」からのインタビューに答えた中で、「ソーシャルネットワーク上では、自分の発言に対する責任の度合いが低いというのが大きな問題です。ソーシャルネットワーク上では、アカウントを持っている人自身が禁止しない限り、あらゆるページのどんな投稿にもコメントを残すことができるシステムになっています。そして文化度が低く、教養の少ない人ほど、自分のネガティブな感情を強く表現する傾向があります。ネット上では、誰でもが、有名人のページで自分の見解を述べることができ、そこで大勢の人々の前で、自分の社会的ステータスを高めることができるのです。またそのコメントに「いいね!」がたくさん付ことで、その人は、正しくない自己評価を下し、自分の人間としての意義が強くなったように感じるのです」と語っている。

ネット上の匿名性をテーマとして取り上げているのが、2021年1月に放送開始予定のテレビ東京の新ドラマ「アノニマス」である。ドラマでは元SMAPのメンバーで、歌手で俳優の香取慎吾が万丞渉役で主演している。万丞渉はインターネットの誹謗中傷や炎上などをきっかけに起こるキーボードによる殺人に対応するため、警視庁に新設された指殺人対策室の捜査官である。ある日、一人の女性が彼のところにやってきて、娘が自殺したと打ち明ける・・・。

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Yahoo!ニュースの記事によれば、香取慎吾さんは、「僕がSNSを始めて3年が経ちました。僕はSNSに助けられています。応援してくれているみなさんの言葉に、いつも笑顔をもらっています。でも、始める前に思っていたSNSへの怖さも忘れてはいません。SNSと生きる今。このドラマ『アノニマス』がSNSの闇だけではなく、その先の光も描いてくれたらと思っています」とコメントしている。

ソーシャルネットワーク上の虚偽告訴や侮辱は、匿名のユーザーからのものであっても、特に繊細な人、あるいはまだ若い、精神的に弱い人の心を深く傷つけ、ときにはその人を死に追いやることもある。日本は自殺者の数で、世界的に下位ではない。さらに日本は、他の国々に較べても、匿名ユーザーの数がかなり多く、たとえば、ツイッターでは70%にもなっており、インターネット上の誹謗中傷は社会問題となっている。

ナタリヤ・セミョーノワさんは続けて言う。「ソーシャルネットワーク上のハラスメントの影響力の度合いは、リアルで起こっているハラスメントとほぼ同じ程度のものであると言えます。すべてはその人の問題を受け止め方によるのです」。ナタリヤさんは、ソーシャルメディア上の誹謗中傷は、精神的に病んだ人々によって書かれていることが多く、またときに何者かに依頼されて扇動的に投稿する場合も多いと指摘する。そして、こうした場合にネガティブな状況から抜け出す一番の方法は、不快な書き込みをするユーザーをブロックし、その存在を忘れてしまうことだと助言している。

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