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新型コロナウイルス
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猛威をふるい続ける新型コロナウイルス  第二波を避けることはできるのか?

© REUTERS / Thomas Peter Люди в масках на железнодорожном вокзале Пекина
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新型コロナウイルスは夏になって収束し始めたかに見えたが、そうではなかった。米国のジョンズ・ホプキンズ大学がまとめた統計によれば、10月初旬までに、世界では3,650万人以上が感染し、100万人以上が死亡した。2020年の春に世界の多くの国々で、厳しい規制が緩和されるようになり、夏以降になると、状況の安定化を受けて、多くの制限が解除された。しかし、この制限解除により、状況は再び悪化。秋になり、このところ感染状況が落ち着いていた国々でも、新規感染者の数が再び急増傾向を見せている。

「どこにどう移動して良いのか分からない」

世界の感染者数を見ると、もっとも多いのが米国(730万人)、インド(約650万人)、ブラジル(490万人)、そしてロシア(およそ120万人)である。またコロンビア、ペルー、スペイン、アルゼンチン、メキシコでは80万人となっている。一方、すでに第二波の到来を宣言しているのが、オーストリア、ドイツ、エストニア、英国で、仏国では10月初旬、1日で1万4,000人の新規感染者が確認された。パリをはじめとする大都市では制限が再導入され、結婚式などの祝賀行事、娯楽イベントは禁止、バーなどの営業時間も規制されている。またイタリアは、新型コロナウイルスによる非常事態宣言を2021年1月31日まで延長すると発表した。感染者数の増大を背景に、欧州諸国は再び、国境を閉鎖している。

欧州連合(EU)は、コロナウイルスに対する欧州諸国の異なる対応、また移動に対する規制の相違を問題視する立場を明らかにし、これを受けて欧州委員会は、措置を統一し、EU内の移動に対しても共通した規制を導入するよう提案した。

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、「我々の優先事項は欧州市民にEU内の自由な移動を保障しつつ、COVID–19の感染拡大を予防することである。現在、各国で制限が異なることから、どこにどう移動して良いのか分からない状況となっている」と述べた。

​現段階では、この提案に関する決定は下されていない。しかし、欧州疾病予防管理センターは、欧州の大多数の国で感染が拡大するだろうとの予測を発表している。


予期せぬトランプ大統領のコロナ感染

コロナウイルスはドナルド・トランプ米大統領をも襲った。しかもそれは、大統領選まであと1ヶ月という、トランプ氏にとってもっとも好ましくない時期であった。トランプ大統領は病院に入院するまでマスクを着けていなかった。今なお、防護用のマスクを軽視している人は大勢いる。加えて、感染拡大の初期から数カ月にわたって、規定通り、2~3時間ごとにマスクを交換しているなどという人はほとんどいないだろう。そんなことをすれば、この間に1,000枚以上のマスクを使用することになるからである。ほとんどの人は、1枚のマスクを数日繰り返し使用しているが、それではコロナウイルスの感染を予防しないばかりか、菌を増殖させるだけだと英国の雑誌「ネイチャー」は指摘している。「ネイチャー」の統計によれば、米国ではマスクの使用率は安定してほぼ50%で、それでも3月、4月に較べるとかなり増えているという。

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また記事によれば、マスクの使用率を、シンガポールやその他の国々と同様に95%まで高めることができれば、2021年1月1日までにほぼ10万人の生命を救うことができるとのこと。ちなみに、「ネイチャー」の専門家は、マスクは感染拡大をコントロールできる重要な防護品であるが、唯一の対策品ではないと指摘している。英エジンバラ大学のポール・ディガード教授は、「マスクは効果はありますが、完璧というわけではありません。ですから、人との距離をとることが大切です」と述べている。


中国では新規感染者が最少に、日本は14日間の自主隔離を免除へ

こうした状況の中、中国と日本の状況は比較的良好だと言えるだろう。中国と日本は感染者数で、それぞれ世界209カ国のうちの46位と47位となっている。中国の感染者総数は9万244人で、死者数は比較的高く、4,736人であるが、ここ数ヶ月に確認された新規感染者は10人以下に抑えられている。一方、日本の感染者総数は8万7,020人であるが、回復者も感染者とほぼ同じ8万227人となっている。日本は近く、海外出張から帰国あるいは再入国した日本人や外国人に対する14日間の待機措置を免除する意向であることを明らかにした。もっともこれは今のところ、日本人と在留資格のある外国人、また帰国時の検査で陰性だった場合に限るとされている。

総じて、どの国でも、感染拡大予防措置の緩和と、学校やその他の教育機関での授業再開を機に感染者が急増している。専門家は、感染動向にも変化が見られるとし、とりわけ学校で感染する若者の数が増えている点を指摘する。その理由としては、学生たちは予防策を怠りがちであること、集団で集まる機会が多いこと、そして人と接触する機会の多い場所でアルバイトしていることなどが挙げられている。


すべての問題は国民性にある?

マスクは完璧なものとは言えないが、ソーシャルディスタンスを取ることや衛生管理の徹底、人との接触を減らすなどの方策と併用することで効果はあると指摘するのは、ロシア感染症医学会および国際旅行医学会のメンバーであるアレクサンドル・エロヴィチェンコフ氏。「こうした基本的な規則を守ることは、個人の責任であると同時に社会の結束でもあります。コロナウイルスの感染拡大は結束というものが基本的なベースとなっている国々がどこかを明確にしました。それはドイツ、スウェーデンなどのスカンジナヴィア諸国、日本、中国などで、感染者数が比較的少ない国です。一方、スペインやイタリアなど、結束力が弱い、あるいはそれを妨げるような社会的習慣が強い国では、規制が緩和された途端、皆、抱き合ったり、キスし合うようになりました。

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当初、多くの国が、厳しい隔離政策を導入しようとしない日本やスウェーデンを非難していましたが、結果的に、日本やスウェーデンでは感染者数はそれほど増えず、経済的な打撃もはるかに少なく済んでいます。スウェーデンの人々は、すべての規則を自ら守っていたため、政府が強硬な規制を発動する必要がなかったのです。また日本では大規模な検査の実施もせず、ロックダウンも行いませんでしたが、早い段階で、コロナウイルスのクラスター的発生の特徴を理解し、換気の悪い場所での大規模なイベントを制限していました。残念ながら、他の国々で厳しい禁止措置が取られるのは、国民が自分を律することができないことの現れなのです」。

アレクサンドル・エロヴィチェンコフ氏によれば、これまでに感染病から人類を救ってきたいくつかの予防策はあると指摘する。しかし、新型コロナウイルスの規模と特徴を考えれば、従来の方策を講じても、生活を完全に麻痺させることになるだけだという。そこで深刻なジレンマが生じるのである。労働能力を失うことなく、かつ感染拡大を食い止めるのに十分な制限を設けるには何をすれば良いのかということである。集団免疫は今のところまだ確立されていないが、治療法やその手順はすでに取りまとめられており、重症患者の数は減少していくはずである。さらにもう一つ今後期待されているのがワクチンであるが、重要なのは、効果があり、安全であることだ。


教授の言葉はバンク・オブ・アメリカの専門家らによる研究によっても裏付けられている。専門家らは、多くの国で感染拡大のスピードを緩めることができているのは、集団免疫によってではなく、行動様式によってであると指摘している。つまり、人々がソーシャルディスタンスを守り、マスクを着け、感染者との接触を効果的に明らかにしているからなのである。

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