今年のテーマとなったのは「New Digital Normal」で、コロナで大きく変化した新しい世界に、いかにイノベーションの力を活用し、対応していくかが各セッションの主要な議題となった。
全体会議でミシュスチン首相は、デジタル化のプロセスがなければコロナ禍が与える影響はもっと大きかっただろうと指摘し、ロシアが国家プログラムとして進めてきた「デジタル経済」政策のおかげで、新しい環境の中で公的機関や企業が早めに体制を立て直すことができたと述べた。
ロシアNIS貿易会(ROTOBO)は、スコルコヴォのパートナーとしてフォーラムに参加し、20日に日本ビジネスセッションを行った。セッションではコロナ発生後の日本でのデジタル化とイノベーションにかかわる取組みについて、NTTロシアの藤田潤社長とイノベーション・エンジン エグゼクティブパートナーの金野諭氏がそれぞれ報告を行なった。
藤田氏は、NTTロシアにおける社員の活躍を例に挙げながら、イノベーション実現のためには社員ひとりひとりの貢献が重要であり、革新者でなければ、新時代に生き残っていくことはできないと話した。
金野氏は、国内外のスタートアップにとって日本における環境は好ましいとし、緊急事態宣言の影響で今年4月、5月は投資が落ち込んだが、6月には大幅に回復し、現在では昨年並みに回復していることを指摘した。
オープンイノベーションフォーラム本番に先駆け、13日にはプレイベントとしてROTOBO主催で「Virtual Reverse Pitch」が行なわれた。NTTロシアを含む日系企業5社が参加し、ロシアのスタートアップやエンジニアに向け、事業紹介および、将来的なパートナー募集のためのプレゼンテーションを行なった。このイベントでもオンラインの強みが生かされ、ロシア全土に加え、欧州在住のロシア人も多数参加し、ビジネスマッチングの幅が広がった。