この調査を実施したのは、横浜市立大の山中竹春教授の研究チーム。日本国内の元感染者376人(2〜5月に感染)を対象に「中和抗体」の有無を調査した。その結果、重症や中等症の人には100%、軽症や無症状は97%、平均して全体の98%の元感染者に半年後も「中和抗体」が残っていたことが分かった。
中山教授は「一般に中和抗体を保有する人が再感染するリスクは低いと考えられている」と説明。
一方、他国では抗体が早い段階で消えるという研究結果が発表されている。日本経済新聞によると、英キングス・カレッジ・ロンドンは3〜6月に感染者と医療従事者、計96人を対象に抗体検査を複数回実施。それによると、抗体は発症後約3週間でピークに達し、その後弱まった。発症後65日後には、一部の軽症者からは抗体はほとんど検出されなかった。
また開発中のワクチンの予防効果について中山教授は、「自然感染による免疫とワクチンによる免疫は必ずしも同一ではないが、ワクチンに一定の期待を持たせる」と述べている。