ブルームバーグのコラムニストは、国際的な重要事象によって歴代の米大統領はたとえ彼らが望まなくても防衛問題への集中を余儀なくされることが多く、バイデン氏がこの規則に当てはまらない可能性は低いと言及している。
北朝鮮の核軍縮
コラムニストは、北朝鮮の指導者・金正恩氏はドナルド・トランプ氏の米大統領就任後まもなく、一連のミサイル発射実験を行ったが、バイデン氏の就任後にも同じことを繰り返す可能性は十分にあると指摘している。金正恩氏は1月、朝鮮労働党大会を記念して軍事パレードを行った。同氏は党大会で、米国を「最大の敵」と呼んだ。
トランプ大統領はそのかじ取りを北朝鮮に対する脅しと制裁で始めたが、その後、金正恩氏との首脳会談と「握手」に方向転換した。バイデン氏はトランプ氏の政策を強く批判し、北朝鮮の核軍縮に向けて同盟国と協力して組織された本格的なキャンペーンを展開することを約束した。ブルームバーグのコラムニストはこのように指摘している。
イランと核合意への復帰
中国及びロシアとの競争
ブルームバーグのコラムニストは、2017年にトランプ氏が発表した米国の国家安全保障戦略によると、米国の防衛政策の優先的な方向性は、先に優先課題と位置付けられていた国際テロリズムとの戦いではなく、中国及びロシアとの競争とされており、バイデン氏もこの対立路線を維持する可能性が高いとしている。
米新政権は、気候変動問題などの特定の分野では中国と協力しようとすると思われるが、南シナ海における中国軍のプレゼンスや、台湾周辺での中国軍の演習増加への対抗措置は続くとみられる。
またロシアに関しては、バイデン氏は引き続き米国の政府機関や民間企業を標的とした大規模なサイバー攻撃で非難し、米国のサイバー軍の助けを借りて「ロシアの脅威」に対応するだろうとされており、コラムニストは、バイデン氏がロシアに対して制裁などの他の対抗措置をとる可能性もあると指摘している。