ドイツ保健省のロベルト・コッホ研究所によると、国内ではロックダウンの導入により新型コロナウイルスの新規感染者数は徐々に低下を続け、重症患者数も減少しているものの、英国やアイルランドで発生した変異種(Sars-CoV-2のB117)が国内でも確認されていることから、依然として予断を許さない状況にあるという。
ドイツ国内ではこの変異種が感染拡大の主要なウイルスにはなっていないものの、このウイルスは感染力が極めて高く、また未成年の間でも感染が広まりやすいとされている。そこでドイツ連邦政府は市民の健康に加え、経済と労働市場を保護する観点から更なる規制強化に踏み切る決定を下した。
ドイツでは1月31日までの予定でロックダウンが発動されているが、政府はこの期間をさらに2月14日まで延長するほか、教育機関における遠隔授業の期間も延長する決定を下した。さらに民間企業には少なくとも3月15日まで可能な限り多くの社員をリモートワークで勤務にあたらせるよう要請した。
また、老人ホームなどでは高性能の防護マスクFFP2(欧州規格適合)の着用を要請したほか、公共の場所でのマスク着用を義務化した。マスクの種類に関する規制はないものの、政府はメディカルOPマスクや、FFP2、K95、N95規格のマスクを推奨している。
ドイツでは2020年12月27日からワクチン接種が始まっている。老人ホームの入居者が優先的に接種の対象となっており、すでに全入居者の半数が接種を完了している。残りの半数については2月中旬までに完了することを目指している。国内では120万人が1回目の接種を受けており、一般市民の接種についてメルケル首相は夏の終わりまでには完了したいとしている。
ドイツでは1月11日から三度目となるロックダウンが導入されている。当初は31日までの予定だったが、変異種の市中感染確認を受けて、さらなる規制強化が発表された。政府は医療崩壊を引き起こさないために、10万人あたりの感染者数を50人以下とすることを目標としている。
パンデミックの宣言以降、ドイツでは200万人以上が新型コロナウイルスに感染し、そのうち4万7000人以上が死亡した。
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