21日、欧州議会は、ロシアの野党指導者ナワリヌイ氏の逮捕に関する決議案を採択し、ガスパイプライン「ノード・ストリーム2」建設の即時停止を求め、ロシアに対する制裁を「慎重に強化する」とした。
スルツキー委員長は「ナワリヌイ氏の逮捕を受けて欧州議会が求めた『ノード・ストリーム2』建設の即時停止と新たな制裁は、内政への干渉と司法への圧力である」と記者団に語った。
また、スルツキー委員長は「欧州議会は反ロシア的偏見にとらわれ、こちらが予想した通りの反応を起こすが、これにはもう驚かない。彼らは一連の挑発行為を仕掛けており、ナワリヌイ氏はその策士らにとってコマに過ぎない」と加え、このような決議はあくまで提言にすぎず、また反ロシアの姿勢を打ち出すことで、国内における民主主義の問題から国民の目をそらすことが目的であると指摘した。
スルツキー委員長は「ドイツのアンゲラ・メルケル首相の発言から判断すると、ナワリヌイ氏をめぐって急いで『ノード・ストリーム2』の建設を止めることはない。だから、いつものごとく、やかましいだけの空砲に終わるのだ」と結論づけた。メルケル首相は21日、「ノード・ストリーム2」に対する制裁を不適切だと明言していた。
ロシアの野党指導者として知られるアレクセイ・ナワリヌイ氏は現地時間の17日夜、治療先のドイツから帰国し、モスクワのシェレメチェボ国際空港に到着して間もなく当局に拘束された。ナワリヌイ氏はこれまで2度の横領容疑で執行猶予付きの有罪判決を受けていた。加えて12月末には新たな横領容疑が発覚したことにより、ロシア連邦検察委員会はナワリヌイ氏を再び起訴していた。
また、猶予期間中に犯した一連の違反行為によりナワリヌイ氏は2020年12月29日以降から当局の捜査対象となっていた。裁判所がその後の決定を下すまでナワリヌイ氏は拘束される見通し。
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