バイデン大統領は21日の記者会見で、米国内における感染拡大状況の見通しについて明らかにした。
バイデン氏によると、米国ではワクチン接種が効果を発揮する前に、さらに状況が悪化するという。米国では2月の時点で死者が50万人に達する模様。
感染拡大防止対策に必要な医療物資の不足も深刻になっており、バイデン大統領は国防生産法の発動に関する大統領令に署名した。これにより、医療用マスクN95や防護服、手袋、綿棒、注射器などの生産を優先的に進めることを民間企業に対して義務付ける。国防生産法は米国が朝鮮戦争に参加していた1950年に制定された法律。緊急事態時に連邦政府による民間企業の統制を許可する法律として知られている。
また、世界的にウイルスの変異種が確認されていることから、米国への渡航者に対してはマスクの着用に加え、航空機の搭乗前にPCR検査の実施、さらには到着後の検疫隔離を義務付ける考えを示した。
なお、米国で進むワクチン接種について、国民の大半が接種を完了するまでにはさらに数ヶ月が必要とした。
記者会見でバイデン氏は、国内の感染拡大状況はさらに悪化するものの、米国はパンデミックを乗り越え、勝利を収めるとコメントした。
米ジョンズ・ホプキンス大学の最新集計結果によると、米国では2461万4129人が新型コロナウイルスに感染し、そのうち40万9794人の死亡が確認された。感染者数、死者数ともに世界で最も多い。第2次世界大戦で犠牲になった米軍兵の数は40万5339人で、新型コロナウイルスによる死者数はこの数を大幅に上回っている。
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