地域の政治的な不安定さを鑑み、地域の国々は、防衛分野に充てる予算を増加させつつ、航空兵器を始めとした軍の近代化を目指している。2021年から2030年までに製造されるおよそ1,500機の軍用機がアジア太平洋地域に供給されることになっている。一方、雑誌では、中国だけは例外だと強調されている。また供給される航空機のほぼ4分の1が戦闘機である。最大の輸入国はインドで、およそ640機の購入が予定されている。そのあとは、韓国(およそ120機)、そして日本、ベトナム(それぞれおよそ100機)、さらにマレーシア、インドネシア、バングラデシュと続く。
ロシアの設計局「スホーイ」の元設計者で、現在は独立した航空専門家であるワジム・ルカシェヴィチ氏は、「スプートニク」からの取材に対し、次のように述べている。「現在、アジア太平洋地域では、積極的に兵器の備蓄が進んでいます。アジア太平洋地域は特にハイテク分野市場がダイナミックに発展している地域です。こうしたことから、いくつかの国では予算も増大し、それに比例して、防衛費も拡大しています」。
ルカシェヴィチ氏は、各国を懸念させ、防衛費を増大させているの主な理由は、経済活動の活発化させながら、軍事力を増強させている中国にあると指摘する。
ルカシェヴィチ氏は、中でも特に航空防衛に重点が置かれているのは、最新型の戦艦を建造するにはより多くの時間と費用が必要だからだと説明する。またルカシェヴィチ氏によれば、戦闘機を始めとする外国の航空軍事機器の輸入する国は、何を購入するかを決めるにあたり、何よりも料金と品質を重要視しているが、供給と支払いの条件も考慮に入れている。一方で、米国と同盟関係にある国々は、伝統的に米国を判断基準にしているとも指摘している。
ロシアはこの地域に対し、大々的に航空機器の輸出を行なっている。主な取引国は中国、インド、ベトナムである。またインドネシア、マレーシア、バングラデシュといった兵器市場でも今後、輸入量が増える見通しだ。ちなみに、アジア太平洋地域でもっとも好まれているロシア戦闘機は「スホーイ」の製品である。
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