イスラエルの医師は20人から血液サンプルを採取。そのうち10人は米ファイザー製ワクチンを接種済み、残る10人はコロナウイルス感染症に罹患済みだ。これら検体から抗体を取り出し、SARS-CoV-2の複数の菌株のエンベロープ(タンパク質からなる膜)との相互作用を観察した。ウイルス株で最も危険な変異種は英国由来および南アフリカ由来のものだったという。medRxivの掲載論文で明らかになった。
実験では、どちらの抗体も昨年の春秋に猛威を振るったコロナウイルス株に同じような反応を見せたという。SARS-CoV-2英国変異株に対して、罹患済み患者の抗体の有効性は2分の1程度であり、南アフリカ活性ウイルスに対しては全く歯が立たなかった。ウイルスの中性化には罹患経験者の抗体濃度を80倍に上げる必要があった。
一方でワクチンを接種した被験者の抗体は南アフリカ変異株にも優れた反応を見せ、その効果は6-7倍高いことが分かった。これによりワクチン接種はSARS-CoV-2南アフリカ変異株に対しても、罹患経験より有効性が高いことが証明された。
スプートニク通信では、ワクチン有効性に対するSARS-CoV-2新変異株の影響について以前に報じている。