「新型コロナウイルスを長期間保有している人は、慢性疾患や自己免疫疾患、免疫力が低下している人、がんに罹患している人たちだ。こういった人たちは体の免疫反応が低下しており、ウイルスはその人の体内を循環することで免疫反応を回避する方法をみつけていく」
ティマコフ氏によると、このウイルスはこういった人々の体内で突然変異を始める。そして、その人の体内で変異ウイルスが増殖していくが、免疫系は感知できないという状況が発生する。
「そして、その人が(活発に複製された)ウイルスを外部環境に放出すると、新しい変異株の発生源となる。つまりこれは新しい亜種のことだ」
一方で同氏は、新型コロナウイルスの保有者が常に誰かに感染させているとは限らないと指摘している。これは「その人がどれくらいの量のウイルスを放出しているかによる」ためだという。
さらにティマコフ氏は、「変異株は感染させるほどではないかもしれないし、これ以上感染させないかもしれない。しかし、変異株に他人に感染させるほどの十分な能力があり、体内でウイルスが活発な状態になる可能性を持つ感染しやすい人にその変異株がうつれば、その後その人物からウイルスが放出され、新しい亜種の発生源になる」と説明している。
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