内閣官房の集計では、宣言の延長前後(4日、11日)の病床使用率の推移は、東京30%→26%、埼玉41%→40%、千葉46%→42%、神奈川28%→26%となっており、再延長した理由だった病床の指標が緩やかながら改善傾向にある。こうした状況を踏まえ、政府高官は「今のままなら大丈夫だ」として、3度目の宣言延長は見送る考えを示しているという。
厚生労働省に助言する専門家組織は、11日に非公式の会合を行った。その際、主要メンバーから「もう打つ手がない」との意見が出たという。また、朝日新聞によると、複数人が宣言の再々延長について「十分な効果があるか分からず、国民の理解が得られない」などと難色を示したという。
一方、新規感染者数は下げ止まって「横ばいから微増傾向」が続いている。専門家は、この時期に花見や卒業旅行などで人出が増えることから、リバウンドへの懸念を強めている。また、感染力が強いとされる変異株が国内で広がりつつあることにも危機感を募らせている。
官邸幹部らは経済への打撃を懸念し、感染状況が大きく悪化しなければ21日で解除したいと口を揃えている。感染再拡大の予兆があれば、改正コロナ特措法で新設した「蔓延防止等重点措置」を適用する構え。
政府は週明け以降の感染状況を見極めたうえで、18日にも専門家らによる諮問委員会や対策本部などを開き、宣言解除の是非を判断する。
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