東海第二原発について、茨城県や東京都などの住民224人は、巨大地震によって重大な事故を引き起こすおそれがあると指摘。再稼働をしないよう求める裁判が、2012年7月から8年以上続いていた。
裁判では、地震発生時に想定される原発内の最大の揺れを示す「基準地震動」の設定や、事故発生時に備え自治体が策定する避難計画などを争点に、同原発の危険性を指摘されてきた。これに対し日本原子力発電は、安全対策は新規制基準に適合しているとし、安全性は確保されていると主張していた。
18日、水戸地方裁判所の前田英子裁判長は、基準地震動の設定などについては欠落があるとは認められないとしつつ、避難計画については「実現可能な避難計画や実行できる体制が整えられていると言うには程遠い状態」として、日本原子力発電に再稼働を認めない判決を言い渡した。
東海第二原発は、1978年に運転を開始した首都圏で唯一の原発。2011年の東日本大震災以降、現在も運転を停止している。同原発の半径30キロ圏内には、日本国内の原発で最多の約94万人が暮らしている。