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フィギュア特集

フィギュアスケート世界選手権、開催を前にスキャンダル?

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フィギュアスケート - Sputnik 日本, 1920, 21.03.2021
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フィギュアスケートの世界選手権大会(ストックホルム)の開催を前に、ファンたちからはコロナの感染防止対策に対する苦情や嘆願書が大量に寄せられている。

よく知られているように、スウェーデンは新型コロナウイルスの感染拡大開始当初から、隔離措置を行わず、多数の感染者によって集団免疫を作るという独自の方針を打ち出した数少ない国の一つである。そこで、「スプートニク」は、フィギュアの世界選手権大会の開催(厳しい制限を設けているにもかかわらず)に、なぜ突然、外国人のファンたちが不満の声を上げているのか、そしてそれは根拠があるものなのか取材した。

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そもそも、今回の世界選手権は、新型コロナの感染予防のため、無観客での開催となった。一方、出場選手たちは、外部との接触を遮断するいわゆる「バブル」空間に入ることになる。つまり、選手たちはチームごとに同じホテルの中で、ほぼ完全に隔離状態となる。移動は、ホテルと会場の往復のみに限られ、演技終了後に選手と記者たちが会見するミックスゾーンも設けられない。また記者会見はオンライン形式で行われることとなっている。

それでもファンたちからは、これらの措置は不十分だとの声が上がっていた。寄せられた嘆願書や苦情の内容には、世界選手権は中止すべきだというもの、また出場選手たちにはさらにスウェーデン到着後に2週間の隔離措置を講じるべきだというものなどが含まれていた。国際スケート連盟(ISU)はこうした助言に従う必要はないとの立場を明らかにしていたが、このほど、新たな苦情が寄せられる事態となった。

ロシア代表チームがまだストックホルムに出発する前、ファンたちは、ISUが取り決めた、世界選手権開催中のコロナ対策のための制限規則を違反したとして、ロシアチームに制裁を加えるべきだと訴えたのである

ISUが設けた規則の1つに、選手1人にはコーチ1人しか帯同できないというものがある。しかし、2人の選手(アンナ・シェルバコワとモリス・クヴィテラシヴィリ)が出場するトゥトベリゼチームから3人のコーチが帯同することになっており、これは明らかな規則違反だとの苦情が届いたのである。

2度にわたってオリンピックチャンピオンの座に輝いたマクシム・トランコフ氏(2021年の世界選手権には、エヴゲニヤ・タラソワ、ウラジーミル・モロゾフペアのコーチとして参加)は、「スプートニク」の取材に応じ、この状況について次のように述べている。「誰かが何か違反をしたとは思いません。なぜなら通行証を出すのは、大会の組織委員会で、出場許可がおりたということは、何か抜け道を使って規則違反などしていないということだからです」。

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「スプートニク」は、トゥトベリゼコチームの3人のコーチに通行証が出たということは、大会側がそれを認めたということなのかどうか質問した。するとトランコフ氏は、「そうだと思います。それ以外には考えられません。通行証はISUが送ってくるのですから」と答えている。

一方、もう1人の著名なコーチであるアレクセイ・ミーシンのチームからは、今回、エリザヴェータ・トゥクタミシェワ、ミハイル・コリャダ、エヴゲーニー・セメネンコの3選手が出場するが、実はこちらのチームは、トゥトベリゼチームとは逆で、3人の選手に2人のコーチしか帯同しない。

こうした状況から判断して、おそらく、ミーシンチームから帯同するコーチの制限枠の残り1人が、トゥトベリゼチームに割り当てられたのだろうと推測される。つまりロシア代表チーム全体のコーチ数としては違反していない形になる。

とはいえ、こうした苦情によって、ロシアチームをめぐって必要のない騒動が引き起こされる可能性はある。しかし、マクシム・トランコフ氏は、「こうした嘆願書は世の中には山ほどあるが、 実際には何の影響力も行使しない」と述べている。

主要な国際大会の開催を前に、こうした苦情が、ストックホルムでの表彰台をかけた美しく緊張した戦いに影を落とさないことを期待せずにはいられない。そしてすべてのファンが、大会の輝かしい瞬間を楽しむことができるよう願っている。

世界選手権大会に出場するロシア代表チームは、すべての部門において、メダル獲得の期待がかかる最強のチームの1つとされている。しかし、男子シングルのミハイル・コリャダは、目標は銅メダルだと控えめな発言をしている(今大会には羽生結弦とネイサン・チェンが出場しているため)が、女子シングルでは3人が表彰台を独占する可能性もある。またアイスダンスやペアでも大きな期待がかかっている。

しかし、選手たちに何よりも大きな希望を与えているのは、ストックホルムでの大会がついに開催されるということである。そしてコロナ禍の中、今大会が嘆願書のような問題なく、関係者全員に良い思い出が残るような大会になるよう期待したい。


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