原告は映画監督の想田和弘さんと妻の柏木規与子さん。2人は1997年、米ニューヨーク州で別姓のまま結婚し、2018年に東京都千代田区でも別姓で婚姻届を出したが、日本では夫婦別姓が認められていないため受理されなかった。
国は原告の2人が同姓ではないため日本国内では婚姻が成立していないと主張したが、市原義孝裁判長は日本の法律でも外国の方式に従い別姓婚は想定されていると指摘。2人の婚姻は「有効に成立している」と認めた。
一方で戸籍に別姓のまま婚姻関係を記載することについては「家庭裁判所に不服を申し立てるほうが適切」と判断し、原告の請求を退けた。
判決後にオンラインで開いた記者会見で、想田さんは「戸籍記載の請求は退けられたが、法律上、婚姻関係は有効だと認められたことは本当によかった」と述べた。また、柏木さんは「選択的夫婦別姓の実現に向けた大きな一歩になったと思う」と語った。