トカチュク氏によると、防諜員たちの主な任務は、事故原因の調査に参加したり、最も効果的な事故処理方法の選択を手伝ったり、事故処理作業員の安全を確保したり、チェルノブイリに押し寄せる外国の諜報機関に対抗手段を講じることなどだったという。
大祖国戦争時と同じ
トカチュク氏はインタビューで、KGBの活動とスターリングラード攻防戦(約4年間にわたって続いた大祖国戦争で最も多くの血が流れた戦いの1つ)における防諜員たちの活動を同一視した。
同氏によると、当時、後にKGBとなるソ連内務人民委員部(NKVD)の職員たちは、直接的な戦士ではなかったものの、兵士たちと一緒になって戦い、命を落とした。そして誇張ではなく、これが国の運命を決めたという。
防諜員たちは後に、NKVDがスターリングラードに残っていることを軍が知れば、それは事態がそれほど悪くはないことを意味し、兵士たちの支えになることが分かっていたため、スターリングラードから去ることができなかったと説明したという。トカチュク氏は、チェルノブイリ原発の事故処理でも同じことが起こったと考えている。