コミュニケの中でG7は、ウクライナとの国境、およびクリミア半島の緊張緩和に向けた取り組みを進めるよう、ロシア政府に呼び掛けた。そのうえでG7は「領海を含め、国際法で認められたウクライナの独立、主権、領土保全」に対する支援を表明した。
また、欧州安全保障協力機構(OSCE)で定められた原則に加え、軍とその行動の透明性に関する義務を遂行するようロシア政府に呼び掛けた。特に、ウクライナとの国境付近に展開する部隊の行動について「明確な回答」が無いことに懸念を示した。
モスクワが完全に部隊を撤退させ、緊張緩和に向けて必要不可欠な措置を取ることが極めて重要である。我々はロシア連邦の行動に深い懸念を示す。その行動は、黒海の一部地域、その中には不法に併合されたクリミア半島周辺やケルチ湾を含むが、こうした地域へのアクセスを遮断することに向けられている。それによって、アゾフ海におけるウクライナの港にアクセスすることが困難になっている。
そのうえでG7はウクライナ政府の慎重な外交や、クリミア「奪還」を目的とした「クリミア・プラットフォーム」の考案を高く評価したほか、国内制度の改革を進めるよう呼び掛けた。一方、ロシアに対してはウクライナ危機の解決に向けて批准されたミンスク合意を順守するよう呼び掛けた。
また、ロシアとは安定して予見可能な関係を望むとしたうえで、サイバー空間や情報操作の分野におけるロシアの振る舞いを抑制するため、集団的努力を行うとした。一方、気候変動や軍備管理、安定して平和な経済開発、北極の自然環境保護など、地域レベルや国際レベルの課題解決に向けてロシアと協働する分野が多いことも確認した。
ただし、ロシアが不安定化をもたらす形で行動していることに懸念を示した。コミュニケには「人権を巡る状況悪化や、反体制派と独立した市民団体、メディアに対する体系的圧力に深い懸念を示す」と記されている。
関連ニュース