調査には感染後もなかなか症状が治らない、いわゆる「ロングCOVID」を抱える812人が参加した。これらの患者の症状は総合的で、なかなか完治しないまま長引く。
専門家らが調べたのは14種類の症状で、mRNAワクチンの接種前と後の症状の出方を比較したところ、56.7%の被験者が症状が緩和されたと答え、24.6%が接種後も何の変化もなかったと答え、18.7%が逆に症状が重くなったと訴えた。
結果から、モデルナ社のワクチンを接種した被験者は疲労感、「頭に霧がかかった」かのように思考がまとまらない状態、筋肉痛が改善される可能性が高く、気分の悪化の可能性は低いことが分析された。ただしワクチンの作用は一時的で、1回目、または2回目の接種後、しばらく時間が経過すると効き目がなくなった。
専門家らは、ポストコロナ症候群の特殊な治療法というものは存在していないものの、調査結果からは、こうした治療法は理論的には可能であることが導き出されたとみている。調査を行った科学者らは、コロナウイルスのワクチンは免疫システムを刷新し、身体に防御力が向かっていく先はウイルスであり、自分の組織、臓器ではないことを分からせることができると指摘している。