6月16日、アナスタシヤ・ラコワ副市長は、コロナウイルス感染の指標は悪化の一途をたどっており、入院の増加も70%以上となったことを明らかにした。副市長は、今後2~3週間たらずで空き病床が無くなる恐れがあると指摘しており、モスクワの諸病院の病院長らからも、昨年2020年の第1波の時でもこれほど高い収容率ではなかったと危惧感が表されている。
セルゲイ・ソビャーニン市長は、現況は稀有であり、これまで数度の危機の際もこれほどまでの動きは観測されていなかったと語っている。市長は、モスクワ市の人口の60%以上に免疫が獲得されていることを考えると、今の状況は予想だにしていなかったと打ち明けている。
状況の展開からモスクワは6月16日、首都の外食産業、教育、文化、サービス、国家機関などの全ての雇用者に対し、最低でも社員の60%へのワクチン接種を義務化するよう通達した。17日には、ワクチンを拒否した社員は一時的に解雇されるか、または給与の一時的な支払い停止となることが明らかにされた。ただし、市政府は状況から企業への罰則は行わないことを約束している。
ロシアの健康保険制度も臨戦態勢に入った。ロシア連邦消費者権利保護・福祉監督庁は24時間体制のコロナウイルスの感染状況のモニタリングを再開している。
モスクワの新規感染者数は5月25日の時点で2075人とほぼ2000人台を推移していた。ところが6月13日には7704人まで跳ね上がり、6月18日現在で6195人。一方ロシア全土では5月25日には7874人だったが、6月13日にはもう1万4723人と倍増している。
関連ニュース