2030年までに最初の原子炉が稼働すると推測されている。また、この原子炉は冷却用としての水を必要としないため、中国西部の砂漠地帯に建設される予定。
上海応用物理研究所のヤン・ルイ教授は、「小型原子炉は、効率性、柔軟性、経済性の面で大きなメリットがある。クリーンエネルギーへの移行において重要な役割を果たすものであり、今後数年間で広く普及するようになるだろう」と述べている。
トリウム溶融塩炉は中国西部の砂漠地帯に建設され、風力発電や太陽光発電とともに、クリーンで安定した電力を供給できるようになるという。また同紙によると、空母や潜水艦などに新型のエネルギーシステムを提供する道が開かれる可能性があるという。
この新技術の導入は、決して目新しいことではない。米国の研究者らは軍用機用の原子力エンジンの開発を期待して、1950年代から溶融塩型の原子炉の研究を開始した。しかし、1970年代に入ると、原子炉の大きさ、軍用機に搭載する際のリスク、溶融塩によって腐食される機材が急速に劣化するなどの技術的な問題が多発したため、研究計画は中止された。
中国の研究者らはこれらの問題を解決し、商業や軍事に応用できる技術を探している。他の多くの国々でも、この分野への関心が高まっている。
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