その論文では、「多くの国がワクチン不足に悩んでいるが、大量にワクチンの在庫がある国は、自国の全人口をカバーするためにワクチンを買いだめするべきではない。これは利益にかなう行動ではないのだ。ワクチンがない国でウイルスが激しく拡散すると、より危険な亜種が出現する可能性が高まり、既存のワクチンの効果が下がる恐れがある」と記されている。
また、WHOの特使らは、医療従事者、高齢者、基礎疾患がある人など、最も弱い立場にある人々へのワクチン接種を優先的に行うように呼びかけている。
WHOは、2021年9月までに世界人口の少なくとも10%、12月までに40%、2022年半ばまでに60%にワクチンを接種すべきだとしている。特使らは、世界中でワクチン約30億回分が供給されたが、ワクチンを共同購入し途上国などに分配する枠組み「COVAX」を通じで配布されたのは9000万回分に過ぎず、ワクチンのより効率的な使用を呼びかけている。
WHOは以前、ワクチン接種を決めるにあたり抗体検査を利用することを推奨していないとの考えを示している。