「私には他に武器はありません」  日本に深く関わるロシア人らが日露関係について激白

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桜(アーカイブ写真) - Sputnik 日本, 1920, 05.04.2022
言うまでもなく、新型コロナは世界中の観光業をはじめ、ビジネスにとって深刻な打撃となった。パンデミックが収束に向かい始め、観光業が回復の兆候を見せ始めた矢先、今度はウクライナで事件が発生した。ロシアから日本に、そして日本からロシアへという旅行客の流れがまもなく回復するという希望が一気に失われた。さまざまなビジネスや日露共同プロジェクトは先の見えない状況に陥った。
人々は何年もかけてビジネスを立ち上げ、事業を推進・拡大し、計画を立ててきた。パートナーや資金の返済などに責任を負う者もいる。全体的には、事態が安定するのを待つしかないという状況にある。今回、通信社「スプートニク」は、日本とさまざまに関りがある人たちに意見を伺った。スプートニクの日本担当編集者は、率直に答えてくれたことに対し、彼らに感謝を表明している。
通訳者で芸術学者、日本の文化・芸術プロジェクトの責任者でもあるタチアナ・ナウモワ氏は、次のように語った。

「もちろん、現在起こっているすべてのことが私たちの活動に影響を与えてます。私たちは2月24日に何が起こったのか知らなかったし、今後どうなるかも分かりません。しかし、私たちは完全に仕事から離れる訳にはいきません。それは、私たちの周りには活動のベースを日本に置いている人がいるからです。そして、私たちが運営する文化事業は、あれこれの娯楽イベントではなく、人々が日本文化に触れることができる大切な、そして貴重な機会となっているのです。そしてこうした活動は私の存在の一部になっていると言えます。日本文化を深く知るためのもう一つの手段として、日本への旅行があります。常にたくさんの希望者があり、非常に素晴らしい反響が返ってきていました。

しかし、まずはじめにパンデミックがブレーキとなり、見通しがまったく立たなくなりました。自分たちの力で企画できるプロジェクトを取り組むようにするつもりです。ロシアNIS貿易会と一緒に進めてきたロシア市場での日本のコスメ製品のプロモーションも同じです。新型コロナの隔離規制にもかかわらず、2021年は2020年よりも成功し、2022年に向けて計画を立てていました。しかし、現在は政治的制約だけでなく、物流や為替相場の変動も問題になっています。 とても悲しい状況と言えます」

日本人の学生とロシア人の学生 - Sputnik 日本, 1920, 30.03.2022
二国間関係の冷え込み、ロシアにおける日本語学習熱に影響せず 日本ではロシア文学会が学びの継続を呼びかけ
3月25日、タチアナ・ナウモワ氏とロシアの着物コレクター、ナタリア・バキナ氏が主催した展示会「着物の世界」がモスクワで終了した。この日、タチアナ氏は自分のフェイスブックに次のように投稿した。「憎しみに打ち勝つことができるのは愛だけ、夜の闇は温かく美しい光によって克服されると私は信じています。私には他に武器はありません」。
スヴェトラーナ・ミハイロワ氏は、同時通訳者でガイド、また、著書『17世紀末から20世紀初頭のロシアにおける日本人』の作者として知られる。

「はじめにパンデミックによって観光ビジネスが『吹き飛ん』でしまいました。回復の兆しが見えてきた時、誰もが日本からの観光客が減るだけで済むと考えましたが、続いて新たな緊張が生じました。観光だけでなく、テレビや映画のプロジェクト、出版、フィギュアスケートなどにも被害が及びました。これらすべての分野に関わって翻訳者の仕事が極度に集中しましたが、同時通訳をしていた会議は途絶えました。ベテラン通訳にとってこれは耐え難いことです。おそらく、活動の場を変えなければならないでしょうが、それでも日本と関わりのあるものになるでしょう。現在、私は1918年から1925年の露日関係について研究しています。歴史を学ぶ中で、すべてが発展していることを目にしています。今後の露日関係に関して言えば、私は預言者ではなく、楽観主義者です。どんな時でも展望はあると思っています」

1年前、スプートニクのインタビューで、スヴェトラーナ・ミハイロワ氏は、過去数世紀にロシアに滞在した日本人の「痕跡」について語っている。オルガ・リバルカ氏は、日本の旅行会社「ジャパン・サンライズ」で取締役を務める。

「私たちのビジネスは主にロシア人旅行者向けに設計されていました。旧ソ連の各国からロシア語を話す観光客をぜひ迎えたいと思っていましたが、いい時でもそうしたお客は多くはありませんでした。今後生き残るためには、新型コロナ前の状況まで観光業が回復するという幻想を抱くのではなく、他の事業に転換する必要があります。しかし、ロシアの非友好国リストに日本が含まれることは、私たちみんなにとって大きな打撃でした。両国の首脳は互いに譲歩しておらず、そのため、今後数年間、こうした状況の中でロシアと日本の二国間関係の正常化について話し合うことはほとんど不可能でしょう。今後3年、楽観的に考えることはできませんが、それでも私たちは状況がより良くなることを願っています」

エドゥアルド・レヴィドヴィッチ氏は日本でビジネスコンサルタントとして働いている。

「エネルギー分野からサプリメントや自動車部品の輸出など、日露ビジネスは多岐にわたります。日本のビジネスマンは、数十年にわたり積み上げられた経験や関係、投資が、明らかにどちらの側にも利益をもたらさない政治的決定の人質になっていることに当然不満を抱いています。既存のプロジェクトをどのように終結させるか、ロシアへの制裁は最終的にどうなるのか、新たな事業環境に何とか対応することはできないか、今は誰も明確に理解できていません。ウクライナ情勢が最終的に解決した後でなければ、この問題について話し合うことができないことだけは確かです。

そして、紛争が長引けば長引くほど、両国間のビジネスを維持・回復するチャンスは少なくなるでしょう。日本は軍国主義というとても複雑な過去を持ち、最近まで反戦・反核の気運が非常に強い国でした。国際共同体の一員であると自覚する中で、全体として日本人は、特に日本のビジネスは、ウクライナ領内での激しい紛争を食い止めるのに役立つなら、何らかの手段を講じたいと強く願っていると言えます。同時に、講じられる措置は象徴的な意味を持つことになるとは言え、多くの日本人は、ロシアとの経済関係におけるいくつかの制限措置が、日本自体にとっても大きな痛手になることを認識しています」

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