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空の戦いで優位性を失う日本
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中国では新型戦闘機の開発が一定期間で行われている。そんな新型兵器のひとつがステルス艦載機J–35である。この航空機について知られていることはほとんどない。明らかになっているのは、これは第5世代戦闘機J–31を基に開発されたものだということで、中国製の新型航空母艦003型で運用されるものと考えられている。 2022年5月11日, Sputnik 日本
2022-05-11T18:00+0900
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003型空母は、現在、建造中であるが、今年2022年にも進水するとみられる。J–35の基となっているJ–31は、米国の戦闘機F–22、F–35に似たものである。そして中国人民解放軍空軍はまもなく最新型の戦闘機を獲得することとなる。これまでに明らかになっているところによれば、推力でも速度でもF–22にはわずかに劣るが、F-35には匹敵するという。これは、日本の航空自衛隊にとってこれはきわめて悪い報せである。果たして日本の航空部隊は優位性を失うことになるのだろうか。戦闘機保有率は7対1保有数で見ても、かなり以前から、中国は日本に優っている。中国人民解放軍は1,777機の戦闘機を有しているが、それに対し、日本は240機、比率にすると7対1である。中国の軍備の一部を供与したとしても、日本の3倍から4倍の戦闘機を配備することができる。第二次世界大戦は、戦闘機の保有数に大差がある場合に敗北は免れないということをはっきりと証明した。また、もう一つ別の要素もある。それは、日本の戦闘機の大部分がかなり古い型式のものであるということである。それに引き換え、中国は逆にほとんどが新型の戦闘機となっている。日本が保有する戦闘機のうちの64.5%が、1997年より前に製造されたF-15Jである。その中でもっとも新しいものでも25年前のものである。中国では1998年以降、4つのタイプの戦闘機が製造され、しかも3つのタイプの戦闘機をロシアから購入した。これが合わせて1,339機、すなわち全体の75.3%となっている。さらにそのうち200〜300機は5年以内に製造されたかなり新しいものである。戦闘機の製造年というのは、非常に重要な問題である。というのも、航空機というものは、運用の過程で摩耗し、部分的に戦闘能力を失うからである。たとえば、米国のF-15は、元々、4,000時間の飛行、または年間270時間で15年を見込んで設計されたが、その後、米空軍は運用期限をまず6,000時間に、そしてその後8,000時間に延長、そして現時点ではおよそ15,000時間使用されている。戦闘機には、飛行するたびに負担がかかり、その構造自体が次第に摩耗していく。古い航空機は強度の限界に近づき、大きな荷重をかけて急激な動きをすることで破壊することもある。2007年11月2日、米州兵空軍部隊所属のF-15Cが墜落するという事故が発生したが、これは飛行中に翼を喪失したからである。こうした状況を受けて、米空軍司令部は、マッハ2.5の速度で設計されていたF-15とF-16の速度を1.6に制限せざるを得なくなった。そして結果、この制限により、これらの戦闘機のスピードは、中国製の最新型の航空機のほとんどに劣ることとなった。また航空戦での機動、推力増強装置の使用、荷重などは、使い古した航空機にとって、破壊のリスクを大幅に高めるものとなる。こうしたリスクを孕んでいるのが日本のF-15Jであり、そしてF-2にも一部同様のことが言える。空の戦いでは中国が完全な優位性を持つそこで、日本の航空自衛隊は、F-35を購入し、最新の、そしてより高性能で、レーダーに発見されにくい戦闘機を手にすることで、空での戦いをチャンスを同等のものにすることを可能にした。しかし、中国はそのときすでにそれに対抗できるものを持っていたのである。2009年に製造されたJ-20は速度マッハ2、戦闘行動半径は2000キロメートルとかなり広く、これは日本のあらゆる戦闘機の2.5倍に相当する。中国のJ-20は航続距離も十分で、上海周辺の基地から出発して、東京上空での戦闘を行うことも可能である。中国人民解放軍にはこのタイプの戦闘機が50機備わっている。中国の空軍に最新型のJ-31、さらに空母用のJ-35が使用されれば、日本は上空での優位性を完全に失うことになる。おそらくJ-35はすでに製造の準備が進められていると見られ、一方の空母003型は2022年の夏にも進水する可能性があり、装備の完了にさらに約2年、そしてその1年後には艦隊に組み込まれ、就役するとされる。言い換えれば、すでに2025年にはこの空母に艦載機を装備する必要があるということになるのである。専門家らはその数はおよそ40機になると見ている。戦闘機J-31/J-35の戦闘行動範囲は1,200キロメートルと評価されている。これは中国人民解放軍が、日本の南半分、ほぼ東京までの空の戦いにおける優位性を、数でも質でも、完全に保障することを可能にするものである。米国の軍事支援も、こうした航空戦における状況を米国と日本に有利な方向へと急転させることはできないだろう。第一に、日本に配備されている米国のF-15とF-16は型も古く、使い込まれすぎて、技術的な問題を抱えている。第二に、米国は空母でしか支援することができない。つまりそれはおよそ300機までの戦闘機に限られているということになる。しかし中国が保有する戦闘機はそれよりも多い。加えて、米国の空母が別の場所で使用されているなどの理由により、日本を支援するために派遣されない可能性もある。つまりこの地域では、航空戦における優位性が中国に移りつつあるという新たな状況が生まれている。そして、このことが政治情勢を変える原因となる可能性は十分にある。
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空の戦いで優位性を失う日本
2022年5月11日, 18:00 (更新: 2022年5月11日, 19:00) 中国では新型戦闘機の開発が一定期間で行われている。そんな新型兵器のひとつがステルス艦載機J–35である。この航空機について知られていることはほとんどない。明らかになっているのは、これは第5世代戦闘機J–31を基に開発されたものだということで、中国製の新型航空母艦003型で運用されるものと考えられている。
003型空母は、現在、建造中であるが、今年2022年にも進水するとみられる。J–35の基となっているJ–31は、米国の戦闘機F–22、F–35に似たものである。そして中国人民解放軍空軍はまもなく最新型の戦闘機を獲得することとなる。これまでに明らかになっているところによれば、推力でも速度でもF–22にはわずかに劣るが、F-35には匹敵するという。これは、日本の航空自衛隊にとってこれはきわめて悪い報せである。果たして日本の航空部隊は優位性を失うことになるのだろうか。
保有数で見ても、かなり以前から、中国は日本に優っている。中国人民解放軍は1,777機の戦闘機を有しているが、それに対し、日本は240機、比率にすると7対1である。
中国の軍備の一部を供与したとしても、日本の3倍から4倍の戦闘機を配備することができる。第二次世界大戦は、戦闘機の保有数に大差がある場合に敗北は免れないということをはっきりと証明した。
また、もう一つ別の要素もある。それは、日本の戦闘機の大部分がかなり
古い型式のものであるということである。それに引き換え、中国は逆にほとんどが新型の戦闘機となっている。
日本が保有する戦闘機のうちの64.5%が、1997年より前に製造された
F-15Jである。その中でもっとも新しいものでも25年前のものである。中国では1998年以降、4つのタイプの戦闘機が製造され、しかも3つのタイプの戦闘機をロシアから購入した。これが合わせて1,339機、すなわち全体の75.3%となっている。さらにそのうち200〜300機は5年以内に製造されたかなり新しいものである。
戦闘機の製造年というのは、非常に重要な問題である。というのも、航空機というものは、運用の過程で摩耗し、部分的に戦闘能力を失うからである。たとえば、米国のF-15は、元々、4,000時間の飛行、または年間270時間で15年を見込んで設計されたが、その後、米空軍は運用期限をまず6,000時間に、そしてその後8,000時間に延長、そして現時点ではおよそ15,000時間使用されている。
戦闘機には、飛行するたびに負担がかかり、その構造自体が次第に摩耗していく。古い航空機は強度の限界に近づき、大きな荷重をかけて急激な動きをすることで破壊することもある。2007年11月2日、米州兵空軍部隊所属のF-15Cが墜落するという事故が発生したが、これは飛行中に翼を喪失したからである。
こうした状況を受けて、米空軍司令部は、マッハ2.5の速度で設計されていたF-15とF-16の速度を1.6に制限せざるを得なくなった。そして結果、この制限により、これらの戦闘機のスピードは、中国製の最新型の航空機のほとんどに劣ることとなった。また航空戦での機動、推力増強装置の使用、荷重などは、使い古した航空機にとって、破壊のリスクを大幅に高めるものとなる。こうしたリスクを孕んでいるのが日本のF-15Jであり、そしてF-2にも一部同様のことが言える。
そこで、日本の航空自衛隊は、F-35を購入し、最新の、そしてより高性能で、レーダーに発見されにくい戦闘機を手にすることで、空での戦いをチャンスを同等のものにすることを可能にした。
しかし、中国はそのときすでにそれに対抗できるものを持っていたのである。2009年に製造されたJ-20は速度マッハ2、戦闘行動半径は2000キロメートルとかなり広く、これは日本のあらゆる戦闘機の2.5倍に相当する。中国のJ-20は航続距離も十分で、上海周辺の基地から出発して、東京上空での戦闘を行うことも可能である。中国人民解放軍にはこのタイプの戦闘機が50機備わっている。
中国の空軍に最新型のJ-31、さらに空母用の
J-35が使用されれば、日本は上空での優位性を完全に失うことになる。おそらくJ-35はすでに製造の準備が進められていると見られ、一方の空母003型は2022年の夏にも進水する可能性があり、装備の完了にさらに約2年、そしてその1年後には艦隊に組み込まれ、就役するとされる。言い換えれば、すでに2025年にはこの空母に艦載機を装備する必要があるということになるのである。専門家らはその数はおよそ40機になると見ている。
戦闘機J-31/J-35の戦闘行動範囲は1,200キロメートルと評価されている。これは中国人民解放軍が、日本の南半分、ほぼ東京までの空の戦いにおける優位性を、数でも質でも、完全に保障することを可能にするものである。
米国の軍事支援も、こうした航空戦における状況を米国と日本に有利な方向へと急転させることはできないだろう。第一に、日本に配備されている米国のF-15とF-16は型も古く、使い込まれすぎて、技術的な問題を抱えている。第二に、米国は空母でしか支援することができない。つまりそれはおよそ300機までの戦闘機に限られているということになる。しかし中国が保有する戦闘機はそれよりも多い。加えて、米国の空母が別の場所で使用されているなどの理由により、日本を支援するために派遣されない可能性もある。
つまりこの地域では、航空戦における優位性が中国に移りつつあるという新たな状況が生まれている。そして、このことが政治情勢を変える原因となる可能性は十分にある。