日本および世界のアダルトビデオ-その闇産業の実情とは?

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AV - Sputnik 日本, 1920, 21.06.2022
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長い議論の末、日本ではこの6月にポルノ産業から若者を保護する法律が可決された。可決された法案の要点は次のようなもの。いわゆる成人向けビデオ(AV)への出演年齢は18歳以上だが、この年齢は現在、成人と認定されており、未成年の出演者は、動画の販売・配信前ならいつでも契約を破棄し、公表後も1年以内であれば無条件で契約を破棄する権利を有する。
この法律が制定に至ったのは、今年4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことが背景にあるのは間違いない。この法案の成立は、AV産業の話題が世界中で注目を集めているということで、いっそう大きな反響を呼ぶこととなった。

日本における新たなAV法

この法律では、署名合意と動画撮影までの期間を1カ月、動画リリースまでを4カ月と定めている。これにより、出演への合意と自らの判断を考え直す十分な時間が与えられる。 一方、制作者は出演者に対し、具体的な性的描写を含むコンテンツを説明した書面を提供しなければならない。また同法はAV制作者に対し、書面形式での契約締結と、契約破棄に関する権利について出演者に説明する義務を課しており、出演者は、この権利が侵害された場合、契約を解消することができる。虚偽内容または脅迫行為があった場合、事業者は最高3年以下の懲役または最高300万円以下の罰金、法人は1億円以下の罰金となる。

世界の闇産業(すでに公か)

どう見るかは別として、アダルトビデオはすでにれっきとしてジャンルとして確立し、しかも人気が高い。この業界にはスターや年齢制限、映画、古典作品、有名監督、さらに賞まで存在する。大衆映画の制作会社もこのジャンルに参入し、官能作品とポルノの境界線が取り払われてしまっている。そして、さまざまな禁止や規制があるにも関わらず、需要が高いことから、この業界の勢いは衰えずにいる。市場および消費者データの専門企業「Statista」が調査したウェブサイトのアクセスデータによると、アダルト動画サイト「ポルノハブ」だけで毎月22億9000万人が閲覧し、世界3大ポルノサイトには全体で毎月58億1000万人がアクセスしている。
また、ポルノハブやレッドチューブ、ユーポーン、ブラザーズを所有するマインドギーク社のデータによると、毎日1億1500万人がこれらのオンラインプラットフォームにアクセスしている。
米国だけで2021年の年間市場規模は350億ドル(約4兆7131億円)に達している。ちなみに、ポルノの視聴回数では米国が1位で、2位は英国、3位は日本となっている。
さらに、新型コロナのパンデミックによる自己隔離から、2020年と2021年には、日本のAV視聴数は、過去2年間との比較で35%以上増加している。
くちびる - Sputnik 日本, 1920, 26.02.2021
新型コロナウイルス
パンデミックの影響でポルノ動画の需要が高まる
世界各国では、ポルノの法的地位は基本的に異なっている。一部の国では禁止され、一部の国ではいくつかの規制がかけられている。 たとえば、南米の多くの国ではカトリック教会の影響力が大きく、それがそれほど大きくない国(ブラジルやコロンビア、メキシコ)では、最小限の規制でポルノが認められている。米国やカナダではポルノは合法とされている。日本では、その歴史的・文化的特徴から、性的描写(ビデオや雑誌、漫画)は恥ずべきものとは見なされていない。人間の体は自然なものであり、つまり、それを恥ずかしがる必要はない。セックスは生物界における自然なプロセスであることからタブー視されることはなく、そのため、キリスト教文化圏のように、セックスと原罪を対比させることはない。その代表的な例として春画をあげることができる。

高収入、それとも違法行為?

さて、なぜ若者はAVに出演するのだろうか。多くの国では、なによりも収入を得る機会、たくさんの映画やショービジネスでキャリアを積む場であり、また、好奇心やしがらみから逃れたいという願望ともいえる。AVが合法の国では、出演者の生活はどうなっているだろうか。例えば米国では、ポルノ女優は法的にも金銭的にも保護されている。同国では、1400人以上が加入するポルノ俳優組合(Adult Performers Actors Guild)が立派に活動している。米国ではこの組織は、政府公認のセックスワーカーの組合であり、2018年以降、元ポルノ女優のアラナ・エヴァンス氏が代表を務めている。同組合の役割としては、医療や社会・年金制度の改善、また、より良い賃金と出演者の権利を守るための対策があげられる。同組合は、組合員に代わってAV企業と交渉および契約を行い、契約を履行し、議員やSNSの所有者などとの協力を図る。新型コロナのパンデミック時には、同組合は他の産業と同様に性風俗産業を支援するように政府に要請を行っている。
スピルバーグ監督の娘 - Sputnik 日本, 1920, 21.02.2020
スピルバーグ監督の娘がポルノスターに 監督は娘の決断に反対せず
同様の組織「レッド・アンブレラ・ファンド」は、AV主演者を含むセックスワーカーの権利を擁護し、フランスでも活動している。この分野で働く者は、世界中で広く人権侵害にさらされている。そのため、同組織の任務は、彼らの平等な権利と司法、医療、社会保障制度へのアクセスを確保することにある。団体のサイトでは、「私たちは、セックスワーカーの権利保護団体と共同した建設的活動と、彼らの支援組織の協力によって、変化を生み出すことができると確信している。彼らが何を望み、どのような援助を必要としているのか、それを理解しているのは彼ら自身だ。レッド・アンブレラ・ファンドは、セックスワーカーの権利運動を支援・強化するためにあらゆるリソースを提供するために設立された」と述べている。2012年の設立以来、同組織は世界60カ国、104のセックスワーカーグループを支援してきた。また、スコットランドに本部を置くセックス・ポルノ産業の労働者の健康と権利を守るための国際ネットワーク「Global Network of Sex Work Projects」という組織も活動を行っている。
ロシアでは、ポルノの制作や普及、公の発表、国境を越えた移送は、罰金または最高6年以下の懲役となる。未成年者のポルノにおいては最高15年以下の懲役刑が言い渡される可能性がある。ただし、「18歳未満禁止」という警告が表示される専門サイトはこの条項に該当しない。そのため、ポルノハブは承認されており、海外企業がロシアから大規模に撤退する前から公式代理店としての権利を得ていた。しかし、AVの撮影は刑事罰の対象となることから、このジャンルに関しては、ロシア人の出演は国外での撮影に限られる。
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