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「世界の岐路」に立つ日本 ただし岐路の背後には何がある?
「世界の岐路」に立つ日本 ただし岐路の背後には何がある?
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ドイツで開催のG7サミットで、ロシアの金禁輸をはじめとする日本の対露制限措置の新パッケージが発表された。英国、カナダ、米国も禁止措置に参加する。金禁輸にドイツやフランスといった欧州の「重鎮」とすでに深刻な経済損失を被っているイタリアが加わっていないことは注目に値する。 2022年7月3日, Sputnik 日本
2022-07-03T06:58+0900
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2022-07-04T15:37+0900
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スプートニクは、日本が、エネルギー安全保障が欧州以上に脆弱であるにもかかわらず、今回反露制裁の先陣を切る(今のところアングロサクソン世界のみとの同盟で)理由を調べた。リスクは最小限度か?日本研究と国際関係が専門のモスクワ国際関係大学、東洋学部のドミトリー・ストレリツォフ学部長は次のように指摘している。そうはいってもロシアの金に対する制裁は、燃料の輸入制限と同様の効果をもたらすため、世界のインフレ率をさらに押し上げるだろう。 グローバルタイムズ紙は、金禁輸がロシア経済そのものに与える直接的な影響は限定的と報じている。有権者の感情の「トレンド」にのる首相ストレリツォフ氏は日本の今の「活発な制裁モード」には2つの明確な理由があると指摘する。だからこそ岸田首相は世界秩序の維持で西側諸国の尽力に同調し、自国が反露路線で世界の流行の波に乗っているところをアピールしたわけだ。一方で帝国データバンクの実施した調査ではロシアで開設していた日本企業168社のうち、ウクライナでの特殊軍事作戦開始後、露市場からの完全撤退を決めたのはわずか4社であることが明らかになった。つまり日本の実業界はこの「歴史の岐路」に全く快適な思いをしているわけではなく、大きな損失を覚悟でロシア市場との別れを急いでもいない。 それは少なくとも、先送り状態になっている。日本企業はおそらく、紛争を長引かせ制裁を強化するよりも、ウクライナの状況がロシアと交渉する形で改善されるのを待っているのだろう。露中関係に対する大きな警戒感もうひとつ、それに劣らず日本の制裁の活性化に影響を与えているのが日米関係と岸田氏という人物だ。このため日本は世界情勢のグローバルなコンテキストの中でG7諸国の確立したルールをすべて重んじている姿をアピールしているのだ。反露に傾かせないストッパーが吹っ飛んだそして、この「国際ルール」は今、ウクライナ情勢から対露関係で特に重要な意味を持つとストレリツォフ氏は考えている。ストレリツォフ氏は、このように、現在の状況(ウクライナ情勢エスカレーションを含む)では、文字通り「日本の手を解き放」って反露の方向に向かわせる多くの状況が重なっていると見ている。日本はこれまでウクライナ情勢に関連して、複数の対露制裁を発動してきた。制裁の対象には大手銀行を含む200以上のロシアの企業や組織が入った。日本はロシアに対して奢侈品や半導体や3Dプリンターなどのハイテク製品の禁輸措置を発動した。また、6月17日以降、トラックの輸出が禁止されている。一方ロシアからは、特定の種類の木材、ウォッカなど一部の商品の輸出が禁止されている。関連ニュース
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露日関係, ロシア, 国内, 岸田文雄, 対露制裁, 国際, オピニオン
露日関係, ロシア, 国内, 岸田文雄, 対露制裁, 国際, オピニオン
「世界の岐路」に立つ日本 ただし岐路の背後には何がある?
2022年7月3日, 06:58 (更新: 2022年7月4日, 15:37) ドイツで開催のG7サミットで、ロシアの金禁輸をはじめとする日本の対露制限措置の新パッケージが発表された。英国、カナダ、米国も禁止措置に参加する。金禁輸にドイツやフランスといった欧州の「重鎮」とすでに深刻な経済損失を被っているイタリアが加わっていないことは注目に値する。
スプートニクは、日本が、エネルギー安全保障が欧州以上に脆弱であるにもかかわらず、今回反露制裁の先陣を切る(今のところアングロサクソン世界のみとの同盟で)理由を調べた。
日本研究と国際関係が専門のモスクワ国際関係大学、東洋学部のドミトリー・ストレリツォフ学部長は次のように指摘している。
「金は、エネルギー資源、非鉄金属、レアメタルなど、戦略的に重要な物に比べて露日貿易収支ではさほど大きな位置を占めていない。このため日本が突き付けたロシア産金の禁輸制裁はシンボリックな意味合いを持っていると言っていい。日本はロシアが外貨準備の大部分を奪われていると考えているため、金を禁輸すれば、ロシアが国家予算の追加的な収入を得るための取引の機会を奪うことができるとを期待している」
そうはいってもロシアの金に対する制裁は、燃料の輸入制限と同様の効果をもたらすため、世界のインフレ率をさらに押し上げるだろう。 グローバルタイムズ紙は、金禁輸がロシア経済そのものに与える直接的な
影響は限定的と報じている。
ストレリツォフ氏は日本の今の「活発な制裁モード」には2つの明確な理由があると指摘する。
「日本では7月に参議院選挙があるため、岸田首相は自分の外交政策が一定の成果を上げていることを示す必要がある。だが経済は長い間成長しておらず、有権者に『自慢』できることは何もない。つまり国内は決して順風満帆ではないが、岸田首相は対露制裁を再び強化し、ロシアを『蹴っとば』したところで何のリスクも冒さない。ウクライナの一件で国内の反ロシア感情は最高潮に達しており、日本人の90%以上が反ロシアであり、野党の反露姿勢はさらに強い。ここで岸田氏は、自分が親露的な感情を持っているとして野党が(理論的にも)自分を非難できないように、世界の首脳らと同等であることを示し、イニシアチブを握らなければならないのだ」
だからこそ岸田首相は世界秩序の維持で西側諸国の尽力に同調し、自国が反露路線で世界の流行の波に乗っているところをアピールしたわけだ。
「われわれは歴史の岐路に立っている。ルールに基づく国際秩序を維持できるかどうかが問われている。国連の安保理などの枠組みが十分対応できていない」
一方で帝国データバンクの実施した調査ではロシアで開設していた日本企業168社のうち、ウクライナでの特殊軍事作戦開始後、露市場からの
完全撤退を決めたのはわずか4社であることが明らかになった。
つまり日本の実業界はこの「歴史の岐路」に全く快適な思いをしているわけではなく、大きな損失を覚悟でロシア市場との別れを急いでもいない。 それは少なくとも、先送り状態になっている。
日本企業はおそらく、紛争を長引かせ制裁を強化するよりも、ウクライナの状況がロシアと交渉する形で改善されるのを待っているのだろう。
もうひとつ、それに劣らず日本の制裁の活性化に影響を与えているのが日米関係と岸田氏という人物だ。
「今の日本の首相はもともと親米派だったため、彼にとってはまさに今、米国へのさらなる忠誠心を示すことが重要であり、その重要性は特に中国の脅威というコンテキストにおいて殊更なのだろう。極東における露中の軍事的結びつきなどに対して、特に、最近(6月)日本の沿岸をロシアと中国の船が通過したことを含め、共同パトロールや演習など、今、日本では虚偽の警戒感が大きく煽られている。もちろん、これは日本にとってさらに警戒感を呼ぶことであり、これで日米同盟の重要性は何倍にも高められている」
このため日本は世界情勢のグローバルなコンテキストの中でG7諸国の確立したルールをすべて重んじている姿をアピールしているのだ。
そして、この「国際ルール」は今、ウクライナ情勢から対露関係で特に重要な意味を持つとストレリツォフ氏は考えている。
「ついこないだの安倍首相時代までは、日本の『反露活動』の具体的な『制約』は日露平和条約の交渉プロセスという形であったが、それが消滅した今、なおさらだ。これまでは条約の交渉が日本に思い切った行動に出ることも、ロシアに対する厳しいレトリックも控えさせ、日本を自制させていた。 ところが今はこの要因が働かず、交渉は『魚雷を飛ばさない』ので日本には自制心を発揮する理由はもうない」
ストレリツォフ氏は、このように、現在の状況(ウクライナ情勢エスカレーションを含む)では、文字通り「日本の手を解き放」って反露の方向に向かわせる多くの状況が重なっていると見ている。
日本はこれまでウクライナ情勢に関連して、複数の対露制裁を発動してきた。制裁の対象には大手銀行を含む200以上のロシアの企業や組織が入った。
日本はロシアに対して奢侈品や半導体や3Dプリンターなどのハイテク製品の禁輸措置を発動した。また、6月17日以降、トラックの輸出が禁止されている。一方ロシアからは、特定の種類の木材、ウォッカなど一部の商品の輸出が禁止されている。