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駐日ロシア大使に長編インタビューロシアへの偏見、キャンセルカルチャー、同じ志を持つ日本人からの支援について
駐日ロシア大使に長編インタビューロシアへの偏見、キャンセルカルチャー、同じ志を持つ日本人からの支援について
Sputnik 日本
... 2022年8月5日, Sputnik 日本
2022-08-05T19:24+0900
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※本稿はガルージン駐日ロシア大使へのインタビュー・前後編の前編です。後編はこちらからお読みいただけます。新たな局面での大使館の業務についてスプートニク:2月24日以降、大使館の外交官の仕事の内容や性質はどう変化しましたか? 働きにくくなりましたか?ガルージン大使:「今年2月24日より、ドンバス住民の保護、非武装化、脱ナチス主義、ロシアの安全保障上の国益を脅かすことのない、ウクライナの中立的地位の確保を目的としたロシアのウクライナにおける特殊軍事作戦が開始され、日本の状況は根本的に変化しました。それでも私たちは外交官らをこうした状況に対処できるよう整えようとしています。外交官はその職業の内容からして、国際的にも、受入国においても、また受入国との関係においても、いかなる変化にも対応できるようでなければなりません。このため、こうした環境変化で日本の公人、またメディアによる反ロシア的な表現や発言、大使館周辺での抗議行動の激増などに日々直面する中でも、すべての大使館職員が効率的に公務を遂行しています。現在、外部からのネガティブな作用は今、少なくありませんが、私たちの公務がこれから影響を受けることは一切ありません」ロシアについての誤解、曲解ガルージン大使は特殊軍事作戦が始まって以来、この5カ月間で生放送への参加も含め、応じたインタビュの回数は10回を超えると語っている。大使は、ロシアの立場には関心があるものの、「もし、あの日本全国を、そしてすべてのメディアを席巻した熱狂的な反ロシアキャンペーンがなければ、取材依頼はもっと多かったはず」との印象を明かし、こうしたネガティブな雰囲気が蔓延しているため、マスコミは取材の申し入れになかなか踏み切ることができないとの考えを示した。ガルージン大使:「ロシア大使館の最大の仕事は特別軍事作戦 の狙いと動機を伝えること。だから私たちはまず、ウクライナ政権が自国の東部の住民に対し、過去8年間、大量虐殺を行ってきたことを指摘しているのです。そして第2に、NATO圏はウクライナに新型の兵器を送り込み、あらゆる種類の反ロシア的な物語を吹き込むことで、ロシアの隣国ウクライナに反ロシア感情を植え付けています。ウクライナ社会は、ナチズムと過激で攻撃的な民族主義の細菌に感染しているのです。そしてこのことは、NATO軍教官がウクライナ軍に与える常時訓練と、ウクライナ領内におけるNATO軍事基地建設計画と、ウクライナ政権の言い草では、本来はロシアのクリミアをウクライナが奪還するための軍事行動を教義的に明文化することと全て相まって、ロシアの安全保障を大きく脅かしました。この2つの要因、つまり、ロシアの特殊作戦の2つの動機について、私たちも積極的にメディアに説明するようにしています。さらに、SNS上、大使館の情報リソースでも、私たちの主張が伝わるように工夫しています。特殊軍事作戦の目的、課題、動機とその進捗状況について、客観的で信憑性のある情報を提供しているのは、多くの意味でロシア大使館と総領事館のリソースだけです」スプートニク:日本の報道関係者からの取材でロシアに関するどんな誤解によく遭遇されますか?ガルージン大使:「ウクライナについて日本で確立されてしまっている、歪曲した認識について言いますと、まず、日本の指導部もメディアも2014年2月にキエフで流血の武装クーデターが起きたことに気づいていなかったということです。あの時に合法的な大統領が武力によって倒され、ネオナチや過激派、全く無責任な人々はウクライナに暮らすロシア人に対して宣戦布告し、ロシア語を禁じ、自分たちが生まれ育ったウクライナから去れと言い放ちました。日本ではなんらかの理由で、ウクライナの現在の局面が今年2022年の2月24日に始まったのではなく、2014年の2月に始まったことに気づかないようにしているのです。日本に存在する第2の誤った前提。それは、ドンバスのロシア語を話す市民に対して、ウクライナ当局が2014年から組織的に推し進めた大量虐殺政策を完全に無視するか、知らないという姿勢を取ることです。ドンバスのロシア語話者の市民は誰にも攻撃をしかけていません。彼らはクリミア市民と同じく2014年2月のキエフでのクーデターを認めず、独自の生活を築くと決意しました。第二次世界大戦中にナチスを幇助したウクライナの民族主義者たちがとるナチス戦犯の美化という、非道かつ容認できない価値観のウクライナ化を押し付けられることを拒否し、ロシア文化、ロシア語、大祖国戦争の大事な戦勝日を尊重しながら、子どもを教育しています。日本人はこうした全てを無視しようとしています。ロシアがこの特殊軍事作戦で開戦したのではないという事実を無視しようとしているように。ロシアは逆に、2014年前半から、ウクライナ政権が国民、ルガンスク人民共和国、ドネツク人民共和国の国民に対して仕掛けている戦争を終わらせようとしています。ウクライナ政権は彼らに対して、空爆、大規模な砲撃、経済封鎖、社会封鎖(キエフによる東部市民への年金未払いやその他の社会的義務の不履行、水道システムの封鎖)を用いているのに、こうしたことがすべて無視され、現在の事態の展開に至っているのです」明治大学での講演、日本人からのフィードバックガルージン大使は日本のマスコミ、ラジオ、テレビだけでなく、大学ともコンタクトをとっており、6月30日は明治大学で学生を対象に講義を行った。しかもこの講演会は明治大学が主催したものだった。一方で、大使館が長年のパートナーだとみなしていた大学から講演を断られることもあり、ガルージン大使は無念だったと語った。その明治大学の講演だが、大使いわく、やはり「ちょっとしたハプニング」なしには終わらなかった。ガルージン大使:「講演は行われました。私が感じた限りでは、真剣に耳を傾けてくださっていたように思います。それでも前日にあらかじめ合意がなされていたプログラムは実行が叶いませんでした。まさにできなかったのは、通常、講演の後に行われる質疑応答で、主催者は直前になって何らかの組織上問題が起きたから出来なくなったと説明していました」それでもガルージン大使は、日本の若者だけでなく、一般の人も大使館の情報リソースを読むことでウクライナの状況に対して、今までと異なる姿勢を取り始めていると考えている。ガルージン大使:「私たちがリソースに公開する資料への反応から判断する限り、特殊軍事作戦の開始当時よりも、作戦の動機、課題、それが始まった原因を説明しようとする私たちの努力に理解を深めてくれる人が徐々に増えているようです。ですから、日本には、ロシアの特殊作戦について的確で客観的、理性的、さらには肯定的な認識を持っている人たちがおられますし、その数は少なくありません。今の日本、特にマスコミに蔓延する反ロシア的なヒステリーの雰囲気の中では、このような客観的な見解を形成することは容易ではありません」日本におけるキャンセル・カルチャーについてスプートニク:こうした新たな環境の中で、日本ではロシア文化を拒絶する傾向が現れ始めていると思われますか?ガルージン大使:「ご指摘のテーマですが、私としては別の角度からこんなふうに考えます。まず、偉大で多面的で個性的なロシアの文化に対して日本は常に、大きな尊敬と敬意と、あえて言うならば憧れを抱いてきました。こうした傾向は19世紀後半からありました。日本の非常に有名な政治家がこんなことを言われました。ここでは名前を出したくありませんが、その方は、自分の世代では、ロシアの古典文学を知らない人間はインテリとは言えない、とおっしゃっておられました。そんな時代が日本にはかつてあったのです。ですから、ロシアの文化への拒絶がある種、公式的に作られた政治路線としてあるとは私は言えません。でも、そのような試みがなされた具体的な事例は、私たちは数例確認しています。ただし、問題は別のところにあります。たしかに、キャンセル・カルチャーはそこまで至っていないし、そうならないことを望みますが、全体的にはマスコミや社会の公式的なレトリックに反ロシア感情を加熱させる傾向があって、これが経済から教育、科学技術から人道・文化に至るまで日本との協力が発展しにくい雰囲気を作り出している。問題があるのはそこです」ガルージン大使は、日本政府が自らの決断で、日露のあらゆるコンタクトを事実上凍結したと指摘した。そしてその影響は、文化交流の集中度にも表れた。ガルージン大使:「ここ数年の日露関係で双方向が努力して創った前向きな姿勢を破壊する行動がとられた結果、日本政府は、文化や政治、ロシアの対日関係といった特定の部分だけでなく、ロシア全体に対して、社会に極めて否定的なシグナルを発しています。ですから、キャンセル・カルチャーなどを直接呼びかけなくても、ロシアとの交流はどんな分野でも創造的な活動を発揮できるような雰囲気ではないのです。残念ながら、これが今日の状況です」日本の友人、同じ志の方からの支援についてスプートニク:大使は長年のご経歴の中で、ロシアとつながりがある日本人と友好的な関係を多く築いてこられたことと思いますが、こうした苦境で彼らからの支援はありますか? 具体的なお名前をいただけるでしょうか。ガルージン大使:「もちろん、何十年も前から固い友情で結ばれた方々はおられます。私は本当に彼らに感謝しています。でもお名前はあげないでおきましょう。日本の一部の勢力が、私の発言を曲解することもありえますから。もちろん、この方々は私たちの立場に共感し、変わらず純粋にロシアを愛し、信じておられる。私たちとコミュニケーションをとること自体が、こちらを助けようということです。また、客観的な理由から数は少ないかもしれませんが、公の場で発言し、ウクライナでの特殊作戦の動機、課題、目的について理解を示し、日本が海の向こうから来る命令に従うのではなく、自国の国益に従って行動すべきだと強調して、助けようとしてくださる。こうしたアクションで支援をくださる方々に、本当に感謝しています」
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駐日ロシア大使に長編インタビューロシアへの偏見、キャンセルカルチャー、同じ志を持つ日本人からの支援について
2022年8月5日, 19:24 (更新: 2022年8月12日, 17:49) 独占記事
ロシアによるウクライナでの特殊軍事作戦が始まってからすでに約5カ月半が経過した。この間、日本をはじめとする欧米諸国の多くは、空前の反ロシア情報キャンペーンを展開した。情報戦が同じ口調で繰り返される陰で、ロシアの発する声はしばしば気づかれず、聞かれずじまいだった。スプートニクは駐日ロシア大使のミハイル・ガルージン氏に取材し、特殊軍事作戦の動機と目的、ロシア側の立場に対する日本側の反応などについてお話をうかがった。インタビューの前編を公開します。
※本稿はガルージン駐日ロシア大使へのインタビュー・前後編の前編です。後編はこちらからお読みいただけます。 スプートニク:2月24日以降、大使館の外交官の仕事の内容や性質はどう変化しましたか? 働きにくくなりましたか?
ガルージン大使:「今年2月24日より、ドンバス住民の保護、非武装化、脱ナチス主義、ロシアの安全保障上の国益を脅かすことのない、ウクライナの中立的地位の確保を目的としたロシアのウクライナにおける
特殊軍事作戦が開始され、日本の状況は根本的に変化しました。
それでも私たちは外交官らをこうした状況に対処できるよう整えようとしています。外交官はその職業の内容からして、国際的にも、受入国においても、また受入国との関係においても、いかなる変化にも対応できるようでなければなりません。
このため、こうした環境変化で日本の公人、またメディアによる反ロシア的な表現や発言、大使館周辺での抗議行動の激増などに日々直面する中でも、すべての大使館職員が効率的に公務を遂行しています。現在、外部からのネガティブな作用は今、少なくありませんが、私たちの公務がこれから影響を受けることは一切ありません」
ガルージン大使は特殊軍事作戦が始まって以来、この5カ月間で生放送への参加も含め、応じたインタビュの回数は10回を超えると語っている。大使は、ロシアの立場には関心があるものの、「もし、あの日本全国を、そしてすべてのメディアを席巻した熱狂的な反ロシアキャンペーンがなければ、取材依頼はもっと多かったはず」との印象を明かし、こうしたネガティブな雰囲気が蔓延しているため、マスコミは取材の申し入れになかなか踏み切ることができないとの考えを示した。
ガルージン大使:「ロシア大使館の最大の仕事は特別軍事作戦 の狙いと動機を伝えること。だから私たちはまず、ウクライナ政権が自国の東部の住民に対し、過去8年間、大量虐殺を行ってきたことを指摘しているのです。
そして第2に、NATO圏はウクライナに
新型の兵器を送り込み、あらゆる種類の反ロシア的な物語を吹き込むことで、ロシアの隣国ウクライナに反ロシア感情を植え付けています。ウクライナ社会は、ナチズムと過激で攻撃的な民族主義の細菌に感染しているのです。
そしてこのことは、NATO軍教官がウクライナ軍に与える常時訓練と、ウクライナ領内におけるNATO軍事基地建設計画と、ウクライナ政権の言い草では、本来はロシアのクリミアをウクライナが奪還するための軍事行動を教義的に明文化することと全て相まって、ロシアの安全保障を大きく脅かしました。
この2つの要因、つまり、ロシアの特殊作戦の2つの動機について、私たちも積極的にメディアに説明するようにしています。さらに、SNS上、大使館の情報リソースでも、私たちの主張が伝わるように工夫しています。特殊軍事作戦の目的、課題、動機とその進捗状況について、
客観的で信憑性のある情報を提供しているのは、多くの意味でロシア大使館と総領事館のリソースだけです」
スプートニク:日本の報道関係者からの取材でロシアに関するどんな誤解によく遭遇されますか?
ガルージン大使:「ウクライナについて日本で確立されてしまっている、歪曲した認識について言いますと、まず、日本の指導部もメディアも2014年2月にキエフで流血の武装クーデターが起きたことに気づいていなかったということです。あの時に合法的な大統領が武力によって倒され、ネオナチや過激派、全く無責任な人々はウクライナに暮らすロシア人に対して宣戦布告し、ロシア語を禁じ、自分たちが生まれ育ったウクライナから去れと言い放ちました。
日本ではなんらかの理由で、ウクライナの現在の局面が今年2022年の2月24日に始まったのではなく、2014年の2月に始まったことに気づかないようにしているのです。
日本に存在する第2の誤った前提。それは、ドンバスのロシア語を話す市民に対して、ウクライナ当局が2014年から組織的に推し進めた大量虐殺政策を完全に無視するか、知らないという姿勢を取ることです。ドンバスのロシア語話者の市民は誰にも攻撃をしかけていません。彼らはクリミア市民と同じく2014年2月のキエフでのクーデターを認めず、独自の生活を築くと決意しました。第二次世界大戦中にナチスを幇助したウクライナの民族主義者たちがとるナチス戦犯の美化という、非道かつ容認できない価値観のウクライナ化を押し付けられることを拒否し、ロシア文化、ロシア語、大祖国戦争の大事な戦勝日を尊重しながら、子どもを教育しています。
日本人はこうした全てを無視しようとしています。ロシアがこの特殊軍事作戦で開戦したのではないという事実を無視しようとしているように。ロシアは逆に、2014年前半から、ウクライナ政権が国民、ルガンスク人民共和国、ドネツク人民共和国の国民に対して仕掛けている戦争を終わらせようとしています。ウクライナ政権は彼らに対して、
空爆、大規模な砲撃、経済封鎖、社会封鎖(キエフによる東部市民への年金未払いやその他の社会的義務の不履行、水道システムの封鎖)を用いているのに、こうしたことがすべて無視され、現在の事態の展開に至っているのです」
ガルージン大使は日本のマスコミ、ラジオ、テレビだけでなく、大学ともコンタクトをとっており、6月30日は明治大学で学生を対象に講義を行った。しかもこの講演会は明治大学が主催したものだった。一方で、大使館が長年のパートナーだとみなしていた大学から講演を断られることもあり、ガルージン大使は無念だったと語った。
その明治大学の講演だが、大使いわく、やはり「ちょっとしたハプニング」なしには終わらなかった。
ガルージン大使:「講演は行われました。私が感じた限りでは、真剣に耳を傾けてくださっていたように思います。それでも前日にあらかじめ合意がなされていたプログラムは実行が叶いませんでした。まさにできなかったのは、通常、講演の後に行われる質疑応答で、主催者は直前になって何らかの組織上問題が起きたから出来なくなったと説明していました」
それでもガルージン大使は、日本の若者だけでなく、一般の人も大使館の情報リソースを読むことでウクライナの状況に対して、今までと異なる姿勢を取り始めていると考えている。
ガルージン大使:「私たちがリソースに公開する資料への反応から判断する限り、特殊軍事作戦の開始当時よりも、作戦の動機、課題、それが始まった原因を説明しようとする私たちの努力に理解を深めてくれる人が徐々に増えているようです。
ですから、日本には、ロシアの特殊作戦について的確で客観的、理性的、さらには肯定的な認識を持っている人たちがおられますし、その数は少なくありません。今の日本、特にマスコミに蔓延する反ロシア的なヒステリーの雰囲気の中では、このような客観的な見解を形成することは容易ではありません」
スプートニク:こうした新たな環境の中で、日本ではロシア文化を拒絶する傾向が現れ始めていると思われますか?
ガルージン大使:「ご指摘のテーマですが、私としては別の角度からこんなふうに考えます。
まず、偉大で多面的で個性的なロシアの文化に対して日本は常に、大きな尊敬と敬意と、あえて言うならば憧れを抱いてきました。
こうした傾向は19世紀後半からありました。日本の非常に有名な政治家がこんなことを言われました。ここでは名前を出したくありませんが、その方は、自分の世代では、ロシアの古典文学を知らない人間はインテリとは言えない、とおっしゃっておられました。そんな時代が日本にはかつてあったのです。
ですから、ロシアの文化への拒絶がある種、公式的に作られた政治路線としてあるとは私は言えません。でも、そのような試みがなされた具体的な事例は、私たちは数例確認しています。ただし、問題は別のところにあります。
たしかに、キャンセル・カルチャーはそこまで至っていないし、そうならないことを望みますが、全体的にはマスコミや社会の公式的なレトリックに反ロシア感情を加熱させる傾向があって、これが経済から教育、科学技術から人道・文化に至るまで日本との協力が発展しにくい雰囲気を作り出している。問題があるのはそこです」
ガルージン大使は、日本政府が自らの決断で、日露のあらゆるコンタクトを事実上凍結したと指摘した。そしてその影響は、文化交流の集中度にも表れた。
ガルージン大使:「ここ数年の日露関係で双方向が努力して創った前向きな姿勢を破壊する行動がとられた結果、日本政府は、文化や政治、ロシアの対日関係といった特定の部分だけでなく、ロシア全体に対して、社会に極めて否定的なシグナルを発しています。ですから、キャンセル・カルチャーなどを直接呼びかけなくても、ロシアとの交流はどんな分野でも創造的な活動を発揮できるような雰囲気ではないのです。残念ながら、これが今日の状況です」
スプートニク:大使は長年のご経歴の中で、ロシアとつながりがある日本人と友好的な関係を多く築いてこられたことと思いますが、こうした苦境で彼らからの支援はありますか? 具体的なお名前をいただけるでしょうか。
ガルージン大使:「もちろん、何十年も前から固い友情で結ばれた方々はおられます。私は本当に彼らに感謝しています。でもお名前はあげないでおきましょう。日本の一部の勢力が、私の発言を曲解することもありえますから。
もちろん、この方々は私たちの立場に共感し、変わらず純粋にロシアを愛し、信じておられる。私たちとコミュニケーションをとること自体が、こちらを助けようということです。また、客観的な理由から数は少ないかもしれませんが、公の場で発言し、ウクライナでの特殊作戦の動機、課題、目的について理解を示し、日本が海の向こうから来る命令に従うのではなく、自国の国益に従って行動すべきだと強調して、助けようとしてくださる。こうしたアクションで支援をくださる方々に、本当に感謝しています」