韓国へのTHAAD配備 韓国の自衛手段か、または対中関係の時限爆弾か

CC BY 2.0 / U.S. Army/Capt. Adan Cazarez / Missile Training米国のミサイル防衛システム(MD)「THAAD」
米国のミサイル防衛システム(MD)「THAAD」 - Sputnik 日本, 1920, 13.08.2022
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米国のミサイル防衛システム(MD)「THAAD」の韓国への配備が再び激しい論議を巻き起こしている。米韓の外交官、軍部、政府関係者は、THAADの朝鮮半島への配備を北朝鮮の脅威に対抗する手段として正当化しているが、中国は、THAADの使用は自衛に限定されず、ただでさえ脆弱な中国と韓国の関係を損なうとして懸念を表明している。
米国は、朝鮮半島への自国のMDの配備に最大の関心を示している。ロイター通信によると、米国務省のヴェダント・パテル第一副報道官は8月11日の記者団に対し、「THAAD配備に関して韓国を批判し、自衛権放棄の圧力をかけるのは不適切だ。我々は日韓の同盟国と緊密に連携し、あらゆる緊急事態に備えている。さらに、北朝鮮のあらゆる挑発行為に反応し、軍および軍備の配置を短期的・長期的に適切に調整する用意がある」と述べた。しかし、パテル報道官は、米国の軍事作戦計画や米国内外の米国防総省の軍および軍備の配置にどのような変更があり得るかについては、具体的には明らかにしなかった。
北朝鮮の核兵器保有を批判できるものはいない=北朝鮮国連大使 - Sputnik 日本, 1920, 04.08.2022
北朝鮮の核兵器保有を批判できるものはいない=北朝鮮国連大使

中国の立場

グローバルタイムズ紙は、THAADの配備と警戒態勢について、中国の見解はまったく異なると報じている。11日の記者会見で、中国外交部の汪文斌報道官は、米国によるTHAADの韓国配備は、強力なTHAADレーダーは中国の領空を把握できるため、中国の安全保障の国益を損なうと断言した。しかし、汪報道官によれば、この措置の主目的は米国が中韓の間にくさびを打ち込み、韓国に米国と中国の2つの超大国の選択を迫るように韓国に圧力をかけることだと指摘している。

絶対ではない「3つのノー」

ブルームバーグによれば、中国は韓国指導部に対し、既存のTHAAD砲台の使用制限を順守し、文在寅前大統領の「THAAD配備を拡大しない、米国主導のグローバルMDシールドに参加しない、日本の参加する三国軍事同盟を結ばない」という「3つのノー」政策を引き続き堅持することも要求している。しかし、2022年7月、韓国の朴振(パク・チン)外交部長官は議会で「3つのノー政策は韓国が中国に約束したものでも、正式な合意として明記されたものではない」と発言している。
こうした一方でブルームバーグによれば、現・尹 錫悦大統領氏は、韓国に配備の米国のTHAADは北朝鮮の核とミサイルの脅威から国民を守る自衛に限定して使用すると繰り返し強調している。これは韓国の安全保障分野主権にも関わる。韓国大統領府は2022年8月11日に表した声明でこの点を確認している。
米韓がいくらTHAADの韓国配備の目的は北朝鮮の核やその他の脅威から守る必要があるからだと主張したところで、これが中韓関係における時限爆弾であることに変わりはない。
スプートニクは先に、米韓の合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・シールド」は、北朝鮮に核抑止力を動員させる挑発と判断される恐れがあると書いている。
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