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フィンランドのサンナ・マリン首相、かつての政府高官のイメージを打破
フィンランドのサンナ・マリン首相、かつての政府高官のイメージを打破
Sputnik 日本
... 2022年8月25日, Sputnik 日本
2022-08-25T07:00+0900
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フィンランドの一連のメディアは、海外メディアがこのパーティーのニュースを大きく取り上げたことから、政府の信頼が損なわれたとして、サンナ・マリン首相を非難した。動画の中で「juhojengi」(フィンランドではしばしば麻薬のことを「jauho」という言葉で表現する)という言葉が聞こえたという人もいた。しかし、ネットのユーザーらは、フィンランドのリキュールである「Jaloviina」を指した「jallujengi」または「jallu jenny」という単語である可能性が高いと指摘する。マリン首相自身は、低アルコール飲料以外の飲酒を否定しており、他の人が違法薬物を使用するのを見ていないと述べている。それでも、野党「真のフィンランド人」の代表で議会議員のリッカ・プーラ氏は、同首相に検査を受けるよう求めた。8月18日の記者会見で、マリン首相は、「隠すことは何もない。 私は薬など使っていない。私は今後もこれまで通りの人間だ。私たちは民主主義という条件のもとで生きている。これらの問題は、選挙で解決することができる」と述べ、自分は非難されるようなことをしたとは思わないので、自分の行動を変える必要性を感じていないと強調した。同首相は、友人との時間の過ごし方ではなく、今後も政治活動に焦点が当てられることを望んでいると述べた。フィンランド政府のプレスサービスによると、2022 年 8 月 19 日に首相が受けた薬物検査では麻薬は検出されなかった。また、サンナ・マリン首相は、自分の収入から個人的に分析費用を支払ったと報告されている。また、フィンランド社会民主党は既に、同首相は党からの信頼を維持していると表明している。サンナ・マリン首相は、2021年12月に発生した事件でも非難されている。同首相は、公用電話を家に置いたままナイトクラブに出かけ、接触のあった同国外相が新型コロナ検査で陽性となったというメッセージを見逃し、友人らとの交遊を続けた。フランスのエマニュエル・マクロン大統領やドイツのアンゲラ・メルケル元首相、英国のボリス・ジョンソン首相、ロシアのウラジミール・プーチン大統領など、各国の主要な政治家もダンスをする姿を撮影されている。しかし、彼らのダンスは、誰かを不愉快にさせ、まして麻薬の使用が疑われるようなものではなかった。しかし、サンナ・マリン首相は、批判をはねのけることにかけては、お手の物だ。 2019 年に彼女がフィンランド首相に就任したこと自体が反響を呼んだが、それは34 歳という世界最年少の若さで首相になったためだった。特に、エストニアの保守人民党党首で内務大臣のマルタ・ヘルメ氏は、マリン首相が以前、スーパーマーケットで働いていたというエピソードを引き合いに出し、「販売員が首相にのし上がった」ことに「髪が逆立った」と語った。特にエストニアとフィンランドの友好的な関係から、同大臣のこの発言はスキャンダルとなり、エストニア大統領は隣国の首相と政府に対し謝罪しなければならなくなった。サンナ・マリン首相自身はツイッターで、フィンランドを誇りに思っているとヘルメ大臣に向け発信し、それは、「この国では貧しい家庭の子供たちが教育を受けることができ、自身の人生で多くのことを成し遂げることができるからだ」と述べている。フィンランドの女性政治家への嫌がらせはこれだけではない。2019年に同国で内閣が発足した際、サンナ・マリン首相の他に11人の女性が入閣したが、男性で閣僚の座に就いたのはわずか7人だった。その時に、世界のメディアは、フィンランドにおける男女同権とこの国のフェミニズムの勝利について報じ始めた。しかし、2021年春、ラトビアに拠点を構える北大西洋条約機構(NATO)の戦略的コミュニケーション能力向上センター(Stratcom-Strategic Communications Center of Excellence)が発表したレポートでは、この主張に反論を行った。この報告では、フィンランドの少なくとも 5 人の女性閣僚が、インターネット上で大規模な嫌がらせを受けていると述べている。彼女らに対し、指導力や判断力を疑うような侮辱的なコメントが書き込まれている。悪意あるコメントのほとんどは、インターネットボットではなく、一般市民が匿名で残している。この問題を発表した研究者のロルフ・フレドハイム氏は、フィンランドは他の国と比較した場合、この点ではまだ比較的進んでいると強調した。しかし、同氏は、インターネット上で性差別を助長するコンテンツを規制する問題を解決するのは非常に難しいと指摘する。なぜ難しいのかと言えば、表現の自由とそうしたコンテンツの制限のバランスを取る必要があるためだ。一方、サンナ・マリン首相への今日の批判に対し、フラッシュモブ「#SolidaritywithSanna」がSNS上で広がり始め、各国のさまざまな立場の女性がパーティーの様子を撮影したビデオを投稿している。フィンランドの女性誌 『Alt For Damerne』 が始めたこの運動では、踊ったり、歌ったり、友達と楽しんだりすることが、プロ意識や業務の質の低さの証とはならないことを示そうと訴えている。窮屈な役人にならず、どんな状況でも普通で居続けるというのは本当の人間力といえる。2021 年、サンナ・マリン首相の写真が、「次世代の100人」を特集したタイム誌の表紙を飾った。この号には、世界中のさまざまな分野で活躍する最も影響力のあるリーダー数百人が紹介された。
https://sputniknews.jp/20220113/9936502.html
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フィンランドのサンナ・マリン首相、かつての政府高官のイメージを打破
政治家は常に真面目で、公の存在であり、自らがリラックスし、心から楽しんでいる姿を見せるべきではないというのは、大いなる間違いだ。しかし、そういう政治家像を抱いている人たちが存在するようだ。そうしたことが、フィンランドのサンナ・マリン首相が友人らと歌ったり踊ったりしている動画が流出したことで証明されることとなった。先週、この動画は大きな話題となり、その上、マリン首相を批評する者たちがこの映像を使い、同首相の成熟度と能力に疑問を投げかけるということを行った。
フィンランドの一連のメディアは、海外メディアがこのパーティーのニュースを大きく取り上げたことから、政府の信頼が損なわれたとして、サンナ・マリン首相を非難した。
動画の中で「juhojengi」(フィンランドではしばしば麻薬のことを「jauho」という言葉で表現する)という言葉が聞こえたという人もいた。しかし、ネットのユーザーらは、フィンランドのリキュールである「Jaloviina」を指した「jallujengi」または「jallu jenny」という単語である可能性が高いと指摘する。マリン首相自身は、低アルコール飲料以外の飲酒を否定しており、他の人が違法薬物を使用するのを見ていないと述べている。それでも、野党「真のフィンランド人」の代表で議会議員のリッカ・プーラ氏は、同首相に検査を受けるよう求めた。8月18日の記者会見で、マリン首相は、「隠すことは何もない。 私は薬など使っていない。私は今後もこれまで通りの人間だ。私たちは民主主義という条件のもとで生きている。これらの問題は、選挙で解決することができる」と述べ、自分は非難されるようなことをしたとは思わないので、
自分の行動を変える必要性を感じていないと強調した。同首相は、友人との時間の過ごし方ではなく、今後も政治活動に焦点が当てられることを望んでいると述べた。
フィンランド政府のプレスサービスによると、2022 年 8 月 19 日に首相が受けた
薬物検査では麻薬は検出されなかった。また、サンナ・マリン首相は、自分の収入から個人的に分析費用を支払ったと報告されている。また、フィンランド社会民主党は既に、同首相は党からの信頼を維持していると表明している。
サンナ・マリン首相は、2021年12月に発生した事件でも非難されている。同首相は、公用電話を家に置いたままナイトクラブに出かけ、接触のあった同国外相が新型コロナ検査で陽性となったというメッセージを見逃し、友人らとの交遊を続けた。フランスのエマニュエル・マクロン大統領やドイツのアンゲラ・メルケル元首相、英国のボリス・ジョンソン首相、ロシアのウラジミール・プーチン大統領など、各国の主要な政治家もダンスをする姿を撮影されている。しかし、彼らのダンスは、誰かを不愉快にさせ、まして麻薬の使用が疑われるようなものではなかった。
しかし、サンナ・マリン首相は、批判をはねのけることにかけては、お手の物だ。 2019 年に彼女がフィンランド首相に就任したこと自体が反響を呼んだが、それは34 歳という世界最年少の若さで首相になったためだった。特に、エストニアの保守人民党党首で内務大臣のマルタ・ヘルメ氏は、マリン首相が以前、スーパーマーケットで働いていたというエピソードを引き合いに出し、「
販売員が首相にのし上がった」ことに「髪が逆立った」と語った。特にエストニアとフィンランドの友好的な関係から、同大臣のこの発言はスキャンダルとなり、エストニア大統領は隣国の首相と政府に対し謝罪しなければならなくなった。
サンナ・マリン首相自身はツイッターで、フィンランドを誇りに思っているとヘルメ大臣に向け発信し、それは、「この国では貧しい家庭の子供たちが教育を受けることができ、自身の人生で多くのことを成し遂げることができるからだ」と述べている。
フィンランドの女性政治家への嫌がらせはこれだけではない。2019年に同国で内閣が発足した際、サンナ・マリン首相の他に11人の女性が入閣したが、男性で閣僚の座に就いたのはわずか7人だった。その時に、世界のメディアは、フィンランドにおける男女同権とこの国のフェミニズムの勝利について報じ始めた。しかし、2021年春、ラトビアに拠点を構える北大西洋条約機構(NATO)の戦略的コミュニケーション能力向上センター(Stratcom-Strategic Communications Center of Excellence)が発表したレポートでは、この主張に反論を行った。この報告では、フィンランドの少なくとも 5 人の女性閣僚が、インターネット上で大規模な嫌がらせを受けていると述べている。彼女らに対し、指導力や判断力を疑うような侮辱的なコメントが書き込まれている。悪意あるコメントのほとんどは、インターネットボットではなく、一般市民が匿名で残している。この問題を発表した研究者のロルフ・フレドハイム氏は、フィンランドは他の国と比較した場合、この点ではまだ比較的進んでいると強調した。しかし、同氏は、インターネット上で
性差別を助長するコンテンツを規制する問題を解決するのは非常に難しいと指摘する。なぜ難しいのかと言えば、表現の自由とそうしたコンテンツの制限のバランスを取る必要があるためだ。
一方、サンナ・マリン首相への今日の批判に対し、フラッシュモブ「#SolidaritywithSanna」がSNS上で広がり始め、各国のさまざまな立場の女性がパーティーの様子を撮影したビデオを投稿している。フィンランドの女性誌 『Alt For Damerne』 が始めたこの運動では、踊ったり、歌ったり、友達と楽しんだりすることが、プロ意識や業務の質の低さの証とはならないことを示そうと訴えている。窮屈な役人にならず、どんな状況でも普通で居続けるというのは本当の人間力といえる。
2021 年、サンナ・マリン首相の写真が、「
次世代の100人」を特集したタイム誌の表紙を飾った。この号には、世界中のさまざまな分野で活躍する最も影響力のあるリーダー数百人が紹介された。