日本の漫画史を学ぶ連続講座、モスクワの子ども図書館で開催中 ロシアで知られざる20世紀の巨匠を紹介

© 写真 : Russian State Children's Library漫画
漫画 - Sputnik 日本, 1920, 20.09.2022
モスクワ市内にあるロシア最大の国立子ども図書館で、日本における漫画の誕生・発展の歴史について学べる連続講座が15日から開講されている。ロシアでは漫画が人気になって久しく、様々なジャンルの最新作がロシア語で読める。日本の漫画を原作としたアニメを見るのが日課という子どもたちも多い。講師を務めるのは美術史家で、あらゆる日本の漫画に詳しいニコライ・ダニレンコさんだ。ダニレンコさんは漫画についての学術論文を執筆しており、講座の内容は彼の研究の一部をわかりやすく紹介するものである。
筆者が参加した初回は、日本美術と漫画の関連性、ジャンルの多様性、過去と現在で共通するモチーフについての講義が行われた。ダニレンコさんは、擬人化された動物がコミカルに描かれている鳥獣戯画、江戸時代に発展した市民文化、庶民に愛された浮世絵、版画の技術、日本に特徴的な妖怪モチーフなど、日本美術の様々な側面から漫画との共通点をたどり、参加者は熱心に聞き入っていた。
3回目以降の講座では、20世紀を代表する漫画家である手塚治虫や石ノ森章太郎、水木しげる、鳥山明など、それぞれの生涯と作品、功績について紹介する予定だ。ダニレンコさんは「外国のコミックスはチーム作業で、シナリオライターが途中で交代したり、連載中に絵柄が大きく変わってしまうことがあるが、日本の漫画は作者が全ての中心であり、漫画家そのものがブランドである点が、ユニークで驚くべき点」だと指摘する。
特に好きな漫画はONE PIECEで、100巻を超えて連載を続けていることに尊敬の念を抱いているという。

「ONE PIECEがなければ、ここまで漫画に夢中になることはなかったでしょう。私は12年間読み続けていますが、全く飽きない。つまりここには特別な何かがあるということです。これだけ長く連載を続け、幅広い世代にとって漫画が魅力的であり続けていること、仕事量も含め、尾田栄一郎とはすごい人物だと思います」

© Sputnik / Asuka Tokuyama美術史研究者ニコライ・ダニレンコさん
美術史研究者ニコライ・ダニレンコさん - Sputnik 日本, 1920, 20.09.2022
美術史研究者ニコライ・ダニレンコさん
講座で取り上げる漫画家が20世紀の巨匠であることについてダニレンコさんは「意識的にそうした」と話す。

「最新の漫画は私が解説しなくてもみんなよく知っているし、気軽に買って読むことができます。それよりも一世代前の漫画家は、ロシアではほとんど知られていません。彼らを紹介することで、ロシア人に、漫画の歩んできた道を知ってもらいたいのです。例えば石ノ森章太郎を取り上げる回では、仮面ライダーやウルトラマン、ゴジラに代表される特撮の文化、円谷プロの誕生についても話す予定です。子どもたちは新しいことをどんどん吸収してくれるので、この講座がこれからどうなるか楽しみです」

最終回のテーマは宮崎駿。漫画家というよりは映画監督、アニメーターのイメージが強いが、ロシアにおいて、彼なくして日本の漫画を語ることはできないのだ。偶然にも講座の初日、ロシアでスタジオジブリの映画「思い出のマーニー」(2014年)が劇場公開スタートした。ジブリシリーズはロシアで根強い人気を誇っている。
講座は子ども対象ではあったが、歴史と文化背景をわかりやすく織り交ぜ、日本人にとっても勉強になる内容だった。会場からは中高生が積極的に質問する姿も。高校一年生のソフィアさんは、「漫画が大好きで、古いものも含めて日本アニメもすごくたくさん見ています。日本の伝統や文化を知ることは楽しいです。歴史も好きなので、漫画がどこから来たのか知ることはとても面白かった」と感想を述べてくれた。
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