https://sputniknews.jp/20220924/13070068.html
ロシアで部分動員発表 召集対象者は元職業軍人、予備役
ロシアで部分動員発表 召集対象者は元職業軍人、予備役
Sputnik 日本
2022年9月21日の朝、ウラジーミル・プーチン大統領は、部分的な動員令の発動を宣言した。セルゲイ・ショイグ国防相によれば、召集されるのは30万人の予備役―つまり、予備兵として軍と契約を結んでいる元職業軍人および予備役である。 2022年9月24日, Sputnik 日本
2022-09-24T17:49+0900
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2022-09-26T17:02+0900
オピニオン
ウクライナでの露特別軍事作戦
ロシア
軍事
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部分的な動員とは、動員資源の一部を兵役に就かせることである。一方、総動員とは、ロシアではおよそ2500万人とされる動員資源をすべて召集することである。今回の部分的な動員は、兵役の義務を負う男性の1.2%が対象となっている。部分的な動員には、従軍および戦闘経験を有する人員や軍事の専門家を軍に引き入れることを可能にするという利点がある。つまり短期間での兵員補充が可能となるのである。経験を有する人員は、簡単な指示を受けるだけで、戦闘任務を遂行することができる。ちなみに、従軍の経験を持たない召集兵を訓練するにはおよそ6ヶ月が必要となっている。義勇兵大隊実質的には、動員は大統領令が発令されるかなり前から始まっており、それは義勇兵大隊と言う形で編成されていた。部隊には、健康で、対象年齢の者であれば、誰でも志願することができた。従軍の経験は歓迎されたが、必須というわけではなかった。義勇兵大隊の兵士は、訓練を受けた後、6ヶ月間の契約を結ぶ。そして戦闘行為に参加した後は、ロシア軍での勤務を継続することができる。義勇兵大隊は事前の訓練を受けた後、戦闘地域に派遣される。2022年9月1日時点で、ロシアには36の義勇兵大隊がある。義勇兵部隊は極東にもある。沿海地方の連隊「チーグル」、ハバロフスク州の通信部隊「コルフ将軍」、アムール州の自動車化狙撃大隊、ヤクート・サハ共和国の「ボオトゥル」である。ウクライナにおける特別作戦の開始直後に編成された義勇兵大隊の一部は、すでに戦闘行為に参加している。チェチェンの義勇兵大隊はマリウポリの襲撃にも参加した。装甲兵員輸送車BTR–80の自動車化狙撃大隊には525人、歩兵戦闘車BMP–2およびBMP–3の大隊には495人が所属しており、大隊を構成する人員数は、平均500人となっている。つまり36の義勇兵大隊の兵士と将校の数は、合わせておよそ18000人である。とはいえ、義勇兵大隊は、戦闘行為をできるだけ早く収束させるため、ウクライナにおけるロシアの部隊を強化するという課題を解決することはできない。今回の部分的な動員が発表される直前に、チェチェンのアフマド・カディロフ首長は、地域の首長らに対し、義勇兵をさらに召集するよう提案していた。各地域で100人の志願者を集めることができれば、85000人の補充ができるからである。しかし、プーチン大統領と最高司令官は、部分的な動員という決定を下した。実際の戦闘経験ウクライナにおける特別作戦には、東部軍管区を含む、ロシアのすべての軍管区の所轄で構成される部隊が参加している。通常、旅団のような部隊の人員から、戦闘行為に参加する連隊が1つないし2つ編成される。戦闘が一定期間進むと、部隊では、兵員交代または配置換えが行われる。これは兵士らの休息と損失の補完のために必要なものである。戦闘に参加し、配置換えとなった人員、負傷した人員は、部隊に戻り、そうした形で、部隊は少しずつ、実際の戦闘経験を獲得していくのである。これは演習では決して得られない経験である。東部軍管区の部隊の中に、太平洋艦隊に所属する第155独立海軍歩兵旅団がある。この旅団は、大統領令によって、名誉ある「親衛」の称号を取得した。大祖国戦争以来続く伝統によって、戦闘において偉大な英雄行為と勇気、特別な功績をあげた部隊や旅団には、親衛の称号が与えられる。旅団を率いるアレクセイ・ベルンガルド大佐は、「ロシアの英雄」の称号を授与されている。マリウポリ北方のヴォルノヴァハの戦いで、2月27日から3月12日にかけて、第155独立親衛海軍歩兵旅団の部隊は、8年かけて建設されたウクライナの防衛を突破し、敵を退却に追いやるのに成功した。その後、ロシア軍はマリウポリに進軍したが、マリウポリでは激しい市街戦と「アゾフスタリ製鉄所」で戦闘が発生した。確信を持って言えることは、日本に、この第155独立親衛海軍歩兵旅団のような経験を持つ自衛隊の部隊は一つもないということである。米軍海兵隊ですら、コンクリート製の要塞を突破したり、都市を襲撃したり、スターリングラードの戦いさながらの市街戦を経験したことはない。しかし、極東の部隊、太平洋艦隊にはそれがある。ちなみに、義勇兵大隊「チーグル」は、第155独立親衛海軍歩兵旅団と同じ基地で訓練を行なっている。ウクライナの特別作戦には、海兵部隊だけでなく、戦車部隊、砲兵部隊、自動車化狙撃部隊、そして東部軍管区に所属する混成の防空部隊が参加している。一方、空軍では、Su-25攻撃機の航空部隊も参加している。つまり、東部軍管区の軍は、ウクライナにおける特別作戦の中で、きわめて精力的に、実際の戦闘での戦いを身につけているのである。プーチン大統領と軍の最高司令官は、ウクライナの特別作戦の目的は達成されると明言した。ロシア軍は、できるだけ早期に戦闘を終了するため、従軍および戦闘経験を持つ人員を補充し、最新の兵器や設備を手にすることになる。加えて、ロシア軍は、日本の自衛隊にはまったくない、実戦の経験をさらに強化していくことになる。戦闘経験は常に必要不可欠なものであり、それはロシアと極東の防衛強化と地域の平和の維持に貢献するものなのである。
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ロシアで部分動員発表 召集対象者は元職業軍人、予備役
2022年9月24日, 17:49 (更新: 2022年9月26日, 17:02) 2022年9月21日の朝、ウラジーミル・プーチン大統領は、部分的な動員令の発動を宣言した。セルゲイ・ショイグ国防相によれば、召集されるのは30万人の予備役―つまり、予備兵として軍と契約を結んでいる元職業軍人および予備役である。
部分的な動員とは、動員資源の一部を兵役に就かせることである。一方、総動員とは、ロシアではおよそ2500万人とされる動員資源をすべて召集することである。今回の部分的な動員は、兵役の義務を負う男性の1.2%が対象となっている。
部分的な動員には、従軍および戦闘経験を有する人員や軍事の専門家を軍に引き入れることを可能にするという利点がある。つまり短期間での兵員補充が可能となるのである。経験を有する人員は、簡単な指示を受けるだけで、戦闘任務を遂行することができる。ちなみに、従軍の経験を持たない召集兵を訓練するにはおよそ6ヶ月が必要となっている。
実質的には、動員は大統領令が発令されるかなり前から始まっており、それは義勇兵大隊と言う形で編成されていた。部隊には、健康で、対象年齢の者であれば、誰でも志願することができた。従軍の経験は歓迎されたが、必須というわけではなかった。義勇兵大隊の兵士は、訓練を受けた後、6ヶ月間の契約を結ぶ。そして戦闘行為に参加した後は、ロシア軍での勤務を継続することができる。
義勇兵大隊は事前の訓練を受けた後、戦闘地域に派遣される。2022年9月1日時点で、ロシアには36の義勇兵大隊がある。義勇兵部隊は極東にもある。沿海地方の連隊「チーグル」、ハバロフスク州の通信部隊「コルフ将軍」、アムール州の自動車化狙撃大隊、ヤクート・サハ共和国の「ボオトゥル」である。
ウクライナにおける特別作戦の開始直後に編成された義勇兵大隊の一部は、すでに戦闘行為に参加している。チェチェンの義勇兵大隊はマリウポリの襲撃にも参加した。
装甲兵員輸送車BTR–80の自動車化狙撃大隊には525人、歩兵戦闘車BMP–2およびBMP–3の大隊には495人が所属しており、大隊を構成する人員数は、平均500人となっている。つまり36の義勇兵大隊の兵士と将校の数は、合わせておよそ18000人である。
とはいえ、義勇兵大隊は、戦闘行為をできるだけ早く収束させるため、ウクライナにおけるロシアの部隊を強化するという課題を解決することはできない。今回の部分的な動員が発表される直前に、チェチェンのアフマド・カディロフ首長は、地域の首長らに対し、義勇兵をさらに召集するよう提案していた。各地域で100人の志願者を集めることができれば、85000人の補充ができるからである。しかし、プーチン大統領と最高司令官は、部分的な動員という決定を下した。
ウクライナにおける特別作戦には、東部軍管区を含む、ロシアのすべての軍管区の所轄で構成される部隊が参加している。通常、旅団のような部隊の人員から、戦闘行為に参加する連隊が1つないし2つ編成される。戦闘が一定期間進むと、部隊では、兵員交代または配置換えが行われる。これは兵士らの休息と損失の補完のために必要なものである。戦闘に参加し、配置換えとなった人員、負傷した人員は、部隊に戻り、そうした形で、部隊は少しずつ、実際の戦闘経験を獲得していくのである。これは演習では決して得られない経験である。
東部軍管区の部隊の中に、太平洋艦隊に所属する第155独立海軍歩兵旅団がある。この旅団は、大統領令によって、名誉ある「親衛」の称号を取得した。大祖国戦争以来続く伝統によって、戦闘において偉大な英雄行為と勇気、特別な功績をあげた部隊や旅団には、親衛の称号が与えられる。旅団を率いるアレクセイ・ベルンガルド大佐は、「ロシアの英雄」の称号を授与されている。
マリウポリ北方のヴォルノヴァハの戦いで、2月27日から3月12日にかけて、第155独立親衛海軍歩兵旅団の部隊は、8年かけて建設されたウクライナの防衛を突破し、敵を退却に追いやるのに成功した。その後、ロシア軍はマリウポリに進軍したが、マリウポリでは激しい市街戦と「アゾフスタリ製鉄所」で
戦闘が発生した。確信を持って言えることは、日本に、この第155独立親衛海軍歩兵旅団のような経験を持つ自衛隊の部隊は一つもないということである。米軍海兵隊ですら、コンクリート製の要塞を突破したり、都市を襲撃したり、
スターリングラードの戦いさながらの市街戦を経験したことはない。しかし、極東の部隊、太平洋艦隊にはそれがある。ちなみに、義勇兵大隊「チーグル」は、第155独立親衛海軍歩兵旅団と同じ基地で訓練を行なっている。
ウクライナの特別作戦には、海兵部隊だけでなく、戦車部隊、砲兵部隊、自動車化狙撃部隊、そして東部軍管区に所属する混成の防空部隊が参加している。一方、空軍では、Su-25攻撃機の航空部隊も参加している。つまり、東部軍管区の軍は、ウクライナにおける特別作戦の中で、きわめて精力的に、実際の戦闘での戦いを身につけているのである。
プーチン大統領と軍の最高司令官は、ウクライナの特別作戦の目的は達成されると明言した。ロシア軍は、できるだけ早期に戦闘を終了するため、従軍および戦闘経験を持つ人員を補充し、最新の兵器や設備を手にすることになる。加えて、ロシア軍は、日本の自衛隊にはまったくない、実戦の経験をさらに強化していくことになる。戦闘経験は常に必要不可欠なものであり、それはロシアと極東の防衛強化と地域の平和の維持に貢献するものなのである。